足関節底屈筋トレーニングは脳性麻痺児・者の歩行を改善する シングルケースデザインによる検討
【目的】我々は7週間の足関節底屈筋トレーニングが脳性麻痺児・者の歩行機能を改善するという仮説を,歩行能力を示す時間距離変数と歩行効率を示す足圧中心(COP)変数を用いて検討した。【対象】10m以上の連続歩行が可能で,口頭指示が理解できるCP児・者3名(13.7±5.4歳)。【方法】ABA'型のシングルケースデザィンを用い,それぞれの期間を7週間ずつ設定した。介入期には,足関節底屈筋トレーニングを週3回7週間自宅で行った。【結果】2症例は,歩行能力と歩行効率に有意な改善,1症例は歩行効率に有意な改善を示し,我々の仮説を支持する結果となった。【結論】生まれながらに正常な運動パターンを学習...
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Published in | 理学療法学 Vol. 39; no. 1; pp. 20 - 29 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
20.02.2012
日本理学療法士協会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.KJ00007944186 |
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Summary: | 【目的】我々は7週間の足関節底屈筋トレーニングが脳性麻痺児・者の歩行機能を改善するという仮説を,歩行能力を示す時間距離変数と歩行効率を示す足圧中心(COP)変数を用いて検討した。【対象】10m以上の連続歩行が可能で,口頭指示が理解できるCP児・者3名(13.7±5.4歳)。【方法】ABA'型のシングルケースデザィンを用い,それぞれの期間を7週間ずつ設定した。介入期には,足関節底屈筋トレーニングを週3回7週間自宅で行った。【結果】2症例は,歩行能力と歩行効率に有意な改善,1症例は歩行効率に有意な改善を示し,我々の仮説を支持する結果となった。【結論】生まれながらに正常な運動パターンを学習していないCP児・者は,筋の活動量を増加させることで歩行を改善することは容易でない。しかし,従来は禁忌とされていた量の取り組みが,歩行機能を維持・改善するための重要な取り組みのひとつであると考える。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00007944186 |