高速液体クロマトグラフ/イオントラップ飛行時間型質量分析計の開発
高速液体クロマトグラフ/イオントラップ飛行時間型質量分析計(LCMS-IT-TOF)を開発した.LCMS-IT-TOFはイオントラップ質量分析計(ITMS)の「多段のMS/MS分析が可能である」という特長と,飛行時間型質量分析計(time-of-flight mass spectrometer,TOF-MS)の「質量分解能及び質量精度が高い」という特長を併せ持つ装置である.装置の高感度化のためには,大気圧下でイオン化されたサンプルイオンを損失なく質量分析計及び検出器まで導き,多段のMS/MSでのイオンの損失を小さくすることが重要である.また,高質量分解能及び高質量精度での測定を実現するためには...
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Published in | 分析化学 Vol. 57; no. 1; pp. 1 - 13 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本分析化学会
2008
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ISSN | 0525-1931 |
DOI | 10.2116/bunsekikagaku.57.1 |
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Summary: | 高速液体クロマトグラフ/イオントラップ飛行時間型質量分析計(LCMS-IT-TOF)を開発した.LCMS-IT-TOFはイオントラップ質量分析計(ITMS)の「多段のMS/MS分析が可能である」という特長と,飛行時間型質量分析計(time-of-flight mass spectrometer,TOF-MS)の「質量分解能及び質量精度が高い」という特長を併せ持つ装置である.装置の高感度化のためには,大気圧下でイオン化されたサンプルイオンを損失なく質量分析計及び検出器まで導き,多段のMS/MSでのイオンの損失を小さくすることが重要である.また,高質量分解能及び高質量精度での測定を実現するためには,効率的なイオンクーリングを行い,イオントラップからのイオンの排出を高速かつ高い再現性で行うこと,並びにTOF-MSの質量分解能を決定するリフレクトロンの性能を高めることが重要である.これらを実現するために行ったイオン光学系の改良や様々な要素技術について紹介する. |
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ISSN: | 0525-1931 |
DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.57.1 |