顎矯正手術後の鼻部・上唇部軟組織側貌変化の予測に関する研究 上顎骨の移動方向別に分類した多変量解析による検討
「緒言」外科的矯正治療は単に咬合の改善を行うだけでなく, 発音や咀嚼などの機能的改善をも目的として行われる. また, それに加え術後に良好な顔貌を獲得することも重要な治療目標となっている. このため, 初診時や顎矯正手術前にあらかじめ術後の顔貌を予測することは, 治療計画の立案や患者へ治療内容を説明する際に重要な事項となっている. 従来より上下顎硬組織の移動変化に伴う軟組織の変化については数々の研究報告がなされている1-13). これらの多くは, 側面頭部X線規格写真を用いて硬組織と軟組織側貌の平均移動率を単回帰分析によって求めたもので, 重回帰分析を用いた研究は少ない. また, 近年では視覚...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 8; no. 3; pp. 170 - 185 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
15.12.1998
日本顎変形症学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0916-7048 1884-5045 |
DOI | 10.5927/jjjd1991.8.170 |
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Summary: | 「緒言」外科的矯正治療は単に咬合の改善を行うだけでなく, 発音や咀嚼などの機能的改善をも目的として行われる. また, それに加え術後に良好な顔貌を獲得することも重要な治療目標となっている. このため, 初診時や顎矯正手術前にあらかじめ術後の顔貌を予測することは, 治療計画の立案や患者へ治療内容を説明する際に重要な事項となっている. 従来より上下顎硬組織の移動変化に伴う軟組織の変化については数々の研究報告がなされている1-13). これらの多くは, 側面頭部X線規格写真を用いて硬組織と軟組織側貌の平均移動率を単回帰分析によって求めたもので, 重回帰分析を用いた研究は少ない. また, 近年では視覚的に術後の顔貌を予測するコンピュータシステムも導入されているが14-17), 顎矯正手術後の上顎骨の移動方向に関しての情報が不明確であるため, 予測の精度に問題が残されている. そこで本研究では, 前歯部反対咬合を有する患者に対し上下顎移動術を施した症例を上顎骨前方部の移動方向別に分類して, 術後における鼻部, 上唇部の軟組織側貌の形態変化様相を多変量解析を用いて詳細に把握することを試みた. |
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ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd1991.8.170 |