公民科「政治・経済」における学習者の素朴理論を経済学理論と比較させる授業実践
本稿の目的は,高等学校公民科「政治・経済」の授業実践を通じて,生徒が日常生活の中で素朴に感じていることを経済学の諸原理と比較しながら学習していくことにあった。具体的には,マンキュー経済学の十大原理のうち,限界原理に焦点を合わせて,授業実践前後の質問紙調査及び中間考査における生徒の解答の分析を通じて,効果検証を行った。その結果,財を追加的に売る際の値下げに関する素朴理論が経済学理論へと変容する過程を確認することができた。具体的には,追加的に財を販売するときの限界費用と限界効用を比較した上で,後者が前者よりも大きければ,元の値段より安い値段でも販売するという経済学的に合理的な理論を生徒が持つように...
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Published in | 教育実践学研究 Vol. 26; pp. 21 - 28 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
教育実践学会
2023
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-2621 2436-0945 |
DOI | 10.50841/kyoikujissen.26.0_21 |
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Summary: | 本稿の目的は,高等学校公民科「政治・経済」の授業実践を通じて,生徒が日常生活の中で素朴に感じていることを経済学の諸原理と比較しながら学習していくことにあった。具体的には,マンキュー経済学の十大原理のうち,限界原理に焦点を合わせて,授業実践前後の質問紙調査及び中間考査における生徒の解答の分析を通じて,効果検証を行った。その結果,財を追加的に売る際の値下げに関する素朴理論が経済学理論へと変容する過程を確認することができた。具体的には,追加的に財を販売するときの限界費用と限界効用を比較した上で,後者が前者よりも大きければ,元の値段より安い値段でも販売するという経済学的に合理的な理論を生徒が持つようになる傾向を確認することができた。 |
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ISSN: | 1880-2621 2436-0945 |
DOI: | 10.50841/kyoikujissen.26.0_21 |