灯油肺炎の臨床的検討

• Published in: 日本小児呼吸器疾患学会雑誌 Vol. 10; no. 1; pp. 8 - 14
• Main Authors: 上田, 康久, 関根, 徹, 原, 真人, 梅原, 実, 四倉, 正博, 福島, 崇義, 箕浦, 克則
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本小児呼吸器疾患学会 01.06.1999
• Subjects: 133Xe局所肺機能検査; 化学性肺炎; 灯油肺炎; 灯油誤飲
• ISSN: 0918-3876; 2185-3754
• DOI: 10.5701/jjpp.10.8

灯油誤飲事故の予後は, 灯油肺炎などの呼吸器合併症の有無により大きく左右される。北里大学病院小児科で経験した灯油誤飲症例20例を初診時胸部単純X線写真の異常の有無により異常陰影群 (n=8), 非異常陰影群 (n=12) に分類し, 臨床症状, 動脈血液ガス分析, 胸部単純X線写真, 133Xe局所肺機能検査, 初期治療について灯油肺炎の臨床的検討を行った。初診時の臨床症状から, 肺炎発症や重症度を予測することは困難であり, 灯油肺炎の遅発発症例があるため, 初診時胸部単純X線写真上異常所見を認めなくても呼吸状態の経過観察の目的で入院管理が必要と考えた。胸部単純X線写真上異常陰影の消失した後に133Xe局所肺機能検査上異常所見が遷延する場合もあり, 形態的・機能的評価を経時的に行うことが重要と思われた。