高校生におけるエナジードリンク摂取頻度と不眠症傾向の関連

【目的】高校生を対象にエナジードリンク(以下,ED)の摂取頻度と不眠症傾向との関連を検討することを目的とした。【方法】2020年9~10月に北海道の全日制A高校の1~3年生男女826人を対象に質問紙調査を実施した。EDの摂取頻度は「摂取無し」「週1本未満」「週1本以上」の3群に分類した。不眠症の評価はアテネ不眠尺度日本語版(AIS-J)を用い,6点以上を不眠症疑いとした。3群に分類したEDの摂取頻度と不眠症傾向との関連は「摂取無し」群を参照群として「週1本未満」群と「週1本以上」群のオッズ比を多変量ロジスティック回帰分析によって検討した。共変量は性,学年,運動習慣,1日あたりのスマートフォン利...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 83; no. 3; pp. 132 - 139
Main Authors 吉田, 篤司, 小林, 道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 01.06.2025
日本栄養改善学会
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Summary:【目的】高校生を対象にエナジードリンク(以下,ED)の摂取頻度と不眠症傾向との関連を検討することを目的とした。【方法】2020年9~10月に北海道の全日制A高校の1~3年生男女826人を対象に質問紙調査を実施した。EDの摂取頻度は「摂取無し」「週1本未満」「週1本以上」の3群に分類した。不眠症の評価はアテネ不眠尺度日本語版(AIS-J)を用い,6点以上を不眠症疑いとした。3群に分類したEDの摂取頻度と不眠症傾向との関連は「摂取無し」群を参照群として「週1本未満」群と「週1本以上」群のオッズ比を多変量ロジスティック回帰分析によって検討した。共変量は性,学年,運動習慣,1日あたりのスマートフォン利用時間及び家庭学習時間,嗜好飲料類の摂取量とした。最終的な解析対象者は730人(男性401人,女性329人,有効回答率88.4%)であった。【結果】EDの摂取頻度による不眠症疑いの割合は「摂取無し」38.2%,「週1本未満」37.8%,「週1本以上」53.2%であった。多変量ロジスティック回帰分析の結果,摂取無し群と比較した週1本以上の群の不眠症疑いのオッズ比(95%信頼区間,p値)は2.19(1.22~3.96,p=0.033)と有意に高かった。【結論】高校生において週1本以上のED摂取と不眠症傾向に関連があることが示唆された。追加の研究では,因果関係を検討するために縦断的調査が必要である。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.83.132