紫外線硬化樹脂を用いたマイクロ液浸標本の作製

教材用として入手可能な動植物プランクトンの永久プレパラート標本は,実物の調達が困難な際に極めて効果的な教材である。しかし,その種類は限られている。永久プレパラート標本を作製するには細胞・組織の固定や脱水・染色など様々な工程があるため,その準備は容易ではない。手芸用品店などで購入可能な紫外線硬化樹脂は,UVA波長(315~400 nm)の照射によって数分間で硬化する液体樹脂であり,初心者でも使いやすい素材である。本研究では,ホルマリン固定されたウニ幼生の液浸標本を紫外線硬化樹脂でプレパラートに封入し,その耐久性について評価した。その結果,約1か月にわたって蒸発が抑えられることを確認した。また,授...

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Published in教育実践学研究 Vol. 26; pp. 11 - 20
Main Author 西川, 洋史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 教育実践学会 2023
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ISSN1880-2621
2436-0945
DOI10.50841/kyoikujissen.26.0_11

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Summary:教材用として入手可能な動植物プランクトンの永久プレパラート標本は,実物の調達が困難な際に極めて効果的な教材である。しかし,その種類は限られている。永久プレパラート標本を作製するには細胞・組織の固定や脱水・染色など様々な工程があるため,その準備は容易ではない。手芸用品店などで購入可能な紫外線硬化樹脂は,UVA波長(315~400 nm)の照射によって数分間で硬化する液体樹脂であり,初心者でも使いやすい素材である。本研究では,ホルマリン固定されたウニ幼生の液浸標本を紫外線硬化樹脂でプレパラートに封入し,その耐久性について評価した。その結果,約1か月にわたって蒸発が抑えられることを確認した。また,授業における演示用プレパラートとして使用することができた。本手法によるプレパラート標本は,微小な液浸標本を封入したものであるため「マイクロ液浸標本」と命名する。
ISSN:1880-2621
2436-0945
DOI:10.50841/kyoikujissen.26.0_11