小児リウマチ性疾患に対するブシラミンの使用経験

多関節型の小児リウマチ性疾患(juvenilerheumatoid arthritis, JRA)の治療は通常サリチル酸製剤などの非ステロイド性抗炎症剤(nonsteroidal anti-inflammatory drugs, NSAIDs)によって開始される. しかし, NSAIDsによる薬物治療に抵抗し, 関節の炎症症状が増悪進行する場合や, 薬剤の副作用が強い場合など, 他の薬剤を選択することが必要となる. このような場合, 成人の慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)では金製剤やD‐ペニシラミンが使用されるが, 小児では使用経験が少なく, また, 副作用...

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Published in炎症 Vol. 14; no. 1; pp. 61 - 65
Main Authors 小池, 雄一, 立澤, 宰, 佐藤, 達也, 永田, 正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本炎症・再生医学会 1994
日本炎症学会
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ISSN0389-4290
1884-4006
DOI10.2492/jsir1981.14.61

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Summary:多関節型の小児リウマチ性疾患(juvenilerheumatoid arthritis, JRA)の治療は通常サリチル酸製剤などの非ステロイド性抗炎症剤(nonsteroidal anti-inflammatory drugs, NSAIDs)によって開始される. しかし, NSAIDsによる薬物治療に抵抗し, 関節の炎症症状が増悪進行する場合や, 薬剤の副作用が強い場合など, 他の薬剤を選択することが必要となる. このような場合, 成人の慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)では金製剤やD‐ペニシラミンが使用されるが, 小児では使用経験が少なく, また, 副作用の点からもその使用は限られたものとなっている. 筆者らは国立小児病院感染リウマチ科で現在治療中のJRAおよび他の類縁疾患に対し, 抗リウマチ薬(disease-modifying antirheumatic drugs, DMARDs)の一つであるブシラミンを使用したので, これらの治療経験について報告する. 対象と方法 対象は, “厚生省若年性関節リウマチ研究班診断の手引き”(1980)1)により診断したJRA多関節型5例, 全身型発症多関節型1例, および潰瘍性大腸炎に伴う若年性慢性関節炎(juvenile chronic arthritis, JCA)1例と強直性脊椎症2例の合計9例(表1)である.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.14.61