生活習慣病予防健診受診者の運動の動機づけに影響を与える要因の一考察

目的:身体活動がもたらす多様な効果は明確であるが,本邦でも運動習慣者の割合は低く,取り組みの成果は出ていない。本研究では運動の動機づけに着目し,一般的な就業者を対象に運動の動機づけに影響を与える要因を明らかにすることを目的とした。方法:2018年度に35〜74歳の生活習慣病予防健診受診者を対象に,運動の自己決定動機づけ(尺度)に関する無記名自記式アンケート調査を行った。結果:回答者は1,822名,うち有効回答は1,321名(72.5%)であった。自己決定動機づけ(尺度)の下位概念は運動習慣の有無と有意に関連があった。基本属性については,下位概念の内発的調整は喫煙・飲酒習慣と,同一視的調整は年代...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 46; no. 5; pp. 5_813 - 5_823
Main Authors 福田, 知恵, 重松, 由佳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.01.2024
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:目的:身体活動がもたらす多様な効果は明確であるが,本邦でも運動習慣者の割合は低く,取り組みの成果は出ていない。本研究では運動の動機づけに着目し,一般的な就業者を対象に運動の動機づけに影響を与える要因を明らかにすることを目的とした。方法:2018年度に35〜74歳の生活習慣病予防健診受診者を対象に,運動の自己決定動機づけ(尺度)に関する無記名自記式アンケート調査を行った。結果:回答者は1,822名,うち有効回答は1,321名(72.5%)であった。自己決定動機づけ(尺度)の下位概念は運動習慣の有無と有意に関連があった。基本属性については,下位概念の内発的調整は喫煙・飲酒習慣と,同一視的調整は年代・喫煙習慣と,取り入れ的調整は糖尿病現病歴と,無調整は性別・喫煙習慣とそれぞれ有意に関連があった。結論:運動の自己決定動機づけ尺度の下位概念と対象者の個別性に応じた保健指導介入の必要性が示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20230219211