三次救急医療施設における人工呼吸器を装着した意思の疎通が困難な患者へのICU看護師の関わり

目的:三次救急医療施設における人工呼吸器を装着した意思の疎通が困難な患者へのICU看護師の関わりを明らかにすること。方法:ICU看護師6名に参与観察と半構成的面接を行い質的記述的に分析した。結果:ICU看護師の関わりとして【患者を非人間化しないよう患者が辿る経過や入院前の生活を想像し,人としての尊厳と日常を守りながら命を保証する】,【医療機器を患者の身体の一部と捉えトラブルがないよう管理し,医療処置の最中でも患者のメッセージを掴み取る】,【自らの身体感覚を通して重症患者のわずかな変化を読み取る】,【自分の身に置き換えて考え,患者にとって安心・安楽となるようケアをする】など7つのカテゴリーが抽出...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 44; no. 5; pp. 5_813 - 5_825
Main Author 辻, 守栄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.01.2022
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Summary:目的:三次救急医療施設における人工呼吸器を装着した意思の疎通が困難な患者へのICU看護師の関わりを明らかにすること。方法:ICU看護師6名に参与観察と半構成的面接を行い質的記述的に分析した。結果:ICU看護師の関わりとして【患者を非人間化しないよう患者が辿る経過や入院前の生活を想像し,人としての尊厳と日常を守りながら命を保証する】,【医療機器を患者の身体の一部と捉えトラブルがないよう管理し,医療処置の最中でも患者のメッセージを掴み取る】,【自らの身体感覚を通して重症患者のわずかな変化を読み取る】,【自分の身に置き換えて考え,患者にとって安心・安楽となるようケアをする】など7つのカテゴリーが抽出された。結論:ICU看護師は反応がない患者を非人間化することを危惧し,患者への関心を寄せ患者の辿る経過や入院前の生活を想像しケアすることが,人として尊重する関わりとなり看護の基盤になると考える。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20210512137