対人円環モデルに基づく精神科看護援助特性質問紙の開発とその信頼性・妥当性の検討

本研究は,人の対人特性を示す対人円環モデルをもとに,精神科患者への看護援助の特性を示す精神科看護援助特性質問紙(Interpersonal Circumplex for Psychiatric Care: IPC-PC)を作成し,看護援助特性の構造を数理統計的に明らかにすることを目的とした。対人特性を示す先行研究を参考に,独自に66の質問項目を作成し調査した。結果,有効回答は205名であり,主成分分析と確認的因子分析により,管理,利己,拒否,自己否定,従属,寛容,確信,自己肯定の8因子32項目が抽出された。作成したIPC-PCは先行研究と同様の統計手法により,IPC-PCの信頼性,妥当性,円環...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 43; no. 1; pp. 1_37 - 1_49
Main Authors 下里, 誠二, 木下, 愛未
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.04.2020
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Summary:本研究は,人の対人特性を示す対人円環モデルをもとに,精神科患者への看護援助の特性を示す精神科看護援助特性質問紙(Interpersonal Circumplex for Psychiatric Care: IPC-PC)を作成し,看護援助特性の構造を数理統計的に明らかにすることを目的とした。対人特性を示す先行研究を参考に,独自に66の質問項目を作成し調査した。結果,有効回答は205名であり,主成分分析と確認的因子分析により,管理,利己,拒否,自己否定,従属,寛容,確信,自己肯定の8因子32項目が抽出された。作成したIPC-PCは先行研究と同様の統計手法により,IPC-PCの信頼性,妥当性,円環構造(2次元軸構造,正しい順序,等間隔性)が確認された。8因子は先行研究とほぼ同様の概念をもつ因子であったが,管理や指導の的確さなど,看護師に特徴的な要素を含む構造が示された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20190803071