胃切除後の胆嚢機能障害-とくに術後早期に発生する胆石症について

胃癌切除例121例を対象に, 外来で超音波検査を施行し, 術後胆石の発生の有無を検索した.その結果, 27例 (22.3%) と高頻度に胆石が発見された.胆石発見時期は, 術後平均21.1±15.6ヵ月で, 術後比較的早期であった. Appleby手術後では, とくに高い発症頻度であった. リンパ節郭清度別では, 術後胆石の発生はR0, R1症例にはみられず, R2症例に限られた. 胆石の種類は色素胆石が主体と考えられ, 成因としては, 胆嚢収縮能の低下と胆汁組成の変化が考えられる.今後は胃切除後症候群の一つとして, 胃切除後胆石の問題をとり上げ, 検討していくべきである....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 19; no. 10; pp. 2154 - 2157
Main Authors 出月, 康夫, 小西, 敏郎, 窪田, 敬一, 照屋, 正則, 笹子, 三津留, 柴山, 和夫, 伊藤, 徹, 小菅, 智男, 針原, 康, 真船, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1986
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.19.2154

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Summary:胃癌切除例121例を対象に, 外来で超音波検査を施行し, 術後胆石の発生の有無を検索した.その結果, 27例 (22.3%) と高頻度に胆石が発見された.胆石発見時期は, 術後平均21.1±15.6ヵ月で, 術後比較的早期であった. Appleby手術後では, とくに高い発症頻度であった. リンパ節郭清度別では, 術後胆石の発生はR0, R1症例にはみられず, R2症例に限られた. 胆石の種類は色素胆石が主体と考えられ, 成因としては, 胆嚢収縮能の低下と胆汁組成の変化が考えられる.今後は胃切除後症候群の一つとして, 胃切除後胆石の問題をとり上げ, 検討していくべきである.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.19.2154