訪問看護師が在宅高齢療養者に服薬自己管理に向けた支援を行う看護プロセス

目的:本研究は,服薬自己管理が困難な在宅高齢療養者に訪問看護師が支援を行う看護プロセスを明らかにすることを目的とした。方法:訪問看護師19名に半構造化面接を行い,M-GTAの手法で分析した。結果:訪問看護師は【服薬に関わることが許される関係性を築く】よう関わり,【普段の服薬行動の様子をつかむ】ことから,【服薬に影響を与える要因を探索する】ための情報収集をしていた。そして【服薬自己管理ができていなかった原因を明確にする】アセスメントを行い,【生活スタイルに馴染む服薬自己管理の方法を模索する】支援をしていた。状況に応じて【その人を取り巻く関係者間のネットワークをリードする】役割を果たし,【服薬自己...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 44; no. 1; pp. 1_61 - 1_71
Main Author 坂根, 可奈子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.04.2021
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Summary:目的:本研究は,服薬自己管理が困難な在宅高齢療養者に訪問看護師が支援を行う看護プロセスを明らかにすることを目的とした。方法:訪問看護師19名に半構造化面接を行い,M-GTAの手法で分析した。結果:訪問看護師は【服薬に関わることが許される関係性を築く】よう関わり,【普段の服薬行動の様子をつかむ】ことから,【服薬に影響を与える要因を探索する】ための情報収集をしていた。そして【服薬自己管理ができていなかった原因を明確にする】アセスメントを行い,【生活スタイルに馴染む服薬自己管理の方法を模索する】支援をしていた。状況に応じて【その人を取り巻く関係者間のネットワークをリードする】役割を果たし,【服薬自己管理の支援を内省する】ことにより次の支援につなげていた。結論:訪問看護師が高齢療養者の服薬自己管理能力を予測的に把握し,これまでの生活に馴染むよう支援して,他職種の専門性と強みを理解して調整する役割を果たす重要性が示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20200723104