中小規模病院における卒後5年目までの看護師の看護実践能力と職場支援との関連

目的:中小規模病院における卒後5年目までの看護師の看護実践能力と職場支援との関連を明らかにする。方法:全国の自治体病院100から299床の中小規模病院の卒後2年目から5年目の看護師619名を対象に,無記名自記式質問紙調査を行った。結果:対象者のCNCSSの得点は,「基本的責務」や「倫理的実践」は高く,「ケアコーディネーション」および「専門性の向上」「質の改善」は低い傾向を示した。また,経験年数別比較では「基本的責務」「看護の計画的な展開」のみで有意差を認めた。重回帰分析の結果,職場支援では先輩看護師からの《手段的支援》が多くの能力に寄与していたが,看護師長からの支援はあまり寄与していなかった。...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 47; no. 4; pp. 4_839 - 4_847
Main Authors 柿木, 守, 古賀, 美紀, 宮本, まゆみ, 津本, 優子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.10.2024
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Summary:目的:中小規模病院における卒後5年目までの看護師の看護実践能力と職場支援との関連を明らかにする。方法:全国の自治体病院100から299床の中小規模病院の卒後2年目から5年目の看護師619名を対象に,無記名自記式質問紙調査を行った。結果:対象者のCNCSSの得点は,「基本的責務」や「倫理的実践」は高く,「ケアコーディネーション」および「専門性の向上」「質の改善」は低い傾向を示した。また,経験年数別比較では「基本的責務」「看護の計画的な展開」のみで有意差を認めた。重回帰分析の結果,職場支援では先輩看護師からの《手段的支援》が多くの能力に寄与していたが,看護師長からの支援はあまり寄与していなかった。結論:対象者のCNCSSの得点は経年ごとに向上していなかった。今後卒後2年目以降の段階的かつ継続的な教育体制の整備,先輩看護師や看護師長の教育力の向上を図る支援の必要性が示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20240129246