腰椎麻酔下で人工股関節全置換術を受けた患者のメラトニン分泌リズムとストレス関連ホルモンとの関連

【研究目的】腰椎麻酔下で人工股関節全置換術を受けた患者の尿中メラトニンを調査し,術後の分泌動態を明らかにする。さらに,ストレス関連ホルモン・疼痛および環境要因との関連を評価する。 【研究方法】尿中メラトニン量は手術当日の22時,2時,6時に測定し,術後1日目朝に血清中のコルチゾール・アドレナリン・ノルアドレナリン量を測定した。 【結果】分析対象者は33名(平均年齢61.6歳,女性が81.8%)で,腰椎麻酔手術後に64%の患者が尿中メラトニン量の変動がない,あるいは早朝に上昇する等の異常なメラトニン分泌リズムを示した。異常なメラトニン分泌リズムを示した患者とストレス関連ホルモンが異常値を示した患...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 37; no. 4; pp. 4_73 - 4_81
Main Authors 明時, 由理子, 藤田, 君支, 田渕, 康子, 松浦, 江美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 2014
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Summary:【研究目的】腰椎麻酔下で人工股関節全置換術を受けた患者の尿中メラトニンを調査し,術後の分泌動態を明らかにする。さらに,ストレス関連ホルモン・疼痛および環境要因との関連を評価する。 【研究方法】尿中メラトニン量は手術当日の22時,2時,6時に測定し,術後1日目朝に血清中のコルチゾール・アドレナリン・ノルアドレナリン量を測定した。 【結果】分析対象者は33名(平均年齢61.6歳,女性が81.8%)で,腰椎麻酔手術後に64%の患者が尿中メラトニン量の変動がない,あるいは早朝に上昇する等の異常なメラトニン分泌リズムを示した。異常なメラトニン分泌リズムを示した患者とストレス関連ホルモンが異常値を示した患者は一致せず,メラトニン分泌リズムはストレス関連ホルモンによって影響を受けていないことが示された。術後の腰背部痛は創部痛より高く,ストレス関連ホルモンとの関連があり,術後の疼痛管理が重要である。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20140520008