高齢糖尿病患者における社会参加の種類・数と認知機能との関連性

目的:高齢糖尿病患における社会参加の種類・参加数と認知機能との関連性を検証すること.方法:対象は伊勢赤十字病院外来通院中の60歳以上の糖尿病患者とした.軽度認知機能障害(MCI)及び認知症の評価には自記式認知症チェックリストを用いて評価した.6種類の社会参加活動,及び参加数について調査した.従属変数をMCI及び認知症,説明変数を社会参加,及び調整変数としたロジスティック回帰分析を用いて,社会参加のMCI及び認知症に関するオッズ比を算出した.結果:352例が本研究の解析対象となった.ボランティア活動(P=0.012),趣味活動(P=0.006),特技や経験を伝える活動(P=0.026),仕事(P...

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 61; no. 2; pp. 179 - 185
Main Authors 森井, 将基, 井田, 諭, 村田, 和也, 今高, 加奈子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 25.04.2024
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ISSN0300-9173
DOI10.3143/geriatrics.61.179

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Summary:目的:高齢糖尿病患における社会参加の種類・参加数と認知機能との関連性を検証すること.方法:対象は伊勢赤十字病院外来通院中の60歳以上の糖尿病患者とした.軽度認知機能障害(MCI)及び認知症の評価には自記式認知症チェックリストを用いて評価した.6種類の社会参加活動,及び参加数について調査した.従属変数をMCI及び認知症,説明変数を社会参加,及び調整変数としたロジスティック回帰分析を用いて,社会参加のMCI及び認知症に関するオッズ比を算出した.結果:352例が本研究の解析対象となった.ボランティア活動(P=0.012),趣味活動(P=0.006),特技や経験を伝える活動(P=0.026),仕事(P=0.003)は認知症に有意に関連していた.社会参加数と認知症との関連性に関しては,社会参加数が2個の場合に認知症リスクの低下がみられた.一方,社会参加はMCIとは有意な関連性は認めなかった.結論:高齢糖尿病患者において,認知症リスク低下に関連する社会参加の種類及び参加数が明らかとなった.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.61.179