術後の痛みを体験する患者に対する看護師の臨床判断の要素とその構造

目的:術後の痛みを体験する患者に対する,看護師の臨床判断の要素とその構造を明らかにすること。方法:外科系病棟で2年以上の勤務経験がある看護師15名に半構造的面接調査を行い,M-GTAを使用して分析を行った。結果:看護師は【術後痛緩和ケアを提供する看護師としての基盤がある】ことが示された。その基盤をもとに【患者の術後痛の体験を理解する】ことにより,【患者と共に術後痛に立ち向かう体制をつくる】ようにしていた。患者と他の医療者と看護師の意見を統合し【術後痛緩和ケアを決定する】ことを通して,【術後痛緩和ケアを実行する】に至り,術後痛緩和ケア実行後は【術後痛緩和ケアの効果を知る】という臨床判断の構造が導...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 46; no. 2; pp. 2_201 - 2_211
Main Author 松本, 有希
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.07.2023
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Summary:目的:術後の痛みを体験する患者に対する,看護師の臨床判断の要素とその構造を明らかにすること。方法:外科系病棟で2年以上の勤務経験がある看護師15名に半構造的面接調査を行い,M-GTAを使用して分析を行った。結果:看護師は【術後痛緩和ケアを提供する看護師としての基盤がある】ことが示された。その基盤をもとに【患者の術後痛の体験を理解する】ことにより,【患者と共に術後痛に立ち向かう体制をつくる】ようにしていた。患者と他の医療者と看護師の意見を統合し【術後痛緩和ケアを決定する】ことを通して,【術後痛緩和ケアを実行する】に至り,術後痛緩和ケア実行後は【術後痛緩和ケアの効果を知る】という臨床判断の構造が導き出された。結論:【術後痛緩和ケアを提供する看護師としての基盤がある】ことは,術後痛緩和ケアの質に影響すると考えられ,このような看護師としての基盤の形成に向けた看護師教育が今後の課題である。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20221117197