救急外来における家族看護実践の程度と関連要因

本研究の目的は,救急外来における救急患者の家族に対する看護実践の実態を明らかにするとともに,家族看護実践に関連する要因を検討することである。救急救命センターの救急外来に勤務する看護師と看護師長を対象に自記式質問紙調査を実施した。看護師167名と,看護師長17名を分析対象とした結果,救急外来における家族看護実践の程度の高いカテゴリーは,「信頼関係構築」「情報提供」であった。家族看護実践の程度に関連する要因は,認定看護師や職位のある看護師,自主的に学ぶ看護師,ロールモデルの存在,救急外来の混雑を防ぐことができる人的・物理的環境であった(p<.05)。家族看護実践度の高い看護師は,家族のかかわり方に...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 42; no. 5; pp. 5_933 - 5_945
Main Authors 鷲尾, 和, 東野, 督子, 西片, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.12.2019
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Summary:本研究の目的は,救急外来における救急患者の家族に対する看護実践の実態を明らかにするとともに,家族看護実践に関連する要因を検討することである。救急救命センターの救急外来に勤務する看護師と看護師長を対象に自記式質問紙調査を実施した。看護師167名と,看護師長17名を分析対象とした結果,救急外来における家族看護実践の程度の高いカテゴリーは,「信頼関係構築」「情報提供」であった。家族看護実践の程度に関連する要因は,認定看護師や職位のある看護師,自主的に学ぶ看護師,ロールモデルの存在,救急外来の混雑を防ぐことができる人的・物理的環境であった(p<.05)。家族看護実践度の高い看護師は,家族のかかわり方に困難を感じておらず,家族を意識した看護実践を行っていた。家族看護実践の程度を高めるには,家族看護を学ぶ場の提供,人材育成システムの整備,人員の充足,とくに準夜帯での充足が重要であることが示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20190713066