パラフィン包埋組織切片上でのMicroProbe Systemを用いたin situ hybridization法によるコニディオボルス症起因菌,ムーコル症起因菌およびアスペルギルス症起因菌の18S rRNAの特異的検出法
侵襲性コニディオボルス症は致死率の高い新興真菌症として注目されている.ホルマリン固定パラフィン(FFPE)組織切片上でコニディオボルス症起因菌(Conidiobolus sp.)をムーコル症起因菌(Rhizopus microsporus)およびアスペルギルス症起因菌(Aspergillus fumigatus)から判別する手法の確立を目的とし,各症例のFFPE組織切片を用いて18S rRNAを標的としたin situ hybridization(ISH)法について検討した.18S rRNAの中でも特に変異に富んだV4領域の可変領域に着目し,Conidiobolus sp. , R. micr...
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Published in | 日本医真菌学会雑誌 Vol. 60; no. 4; pp. 77 - 84 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本医真菌学会
2019
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Subjects | |
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ISSN | 2434-5229 2434-5237 |
DOI | 10.11534/ishinkin.19-00007 |
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Summary: | 侵襲性コニディオボルス症は致死率の高い新興真菌症として注目されている.ホルマリン固定パラフィン(FFPE)組織切片上でコニディオボルス症起因菌(Conidiobolus sp.)をムーコル症起因菌(Rhizopus microsporus)およびアスペルギルス症起因菌(Aspergillus fumigatus)から判別する手法の確立を目的とし,各症例のFFPE組織切片を用いて18S rRNAを標的としたin situ hybridization(ISH)法について検討した.18S rRNAの中でも特に変異に富んだV4領域の可変領域に着目し,Conidiobolus sp. , R. microsporus およびA. fumigatus のそれぞれの培養株についてコンセンサスプライマーを用いて相互に塩基数および配列位置の異なる3つずつのアンチセンスプローブ(プローブA,BおよびC)を作製し,ISHを行った.その結果,相互に相同性が60%以下となるそれぞれのプローブC(Conidiobolus sp.189 b,R. microsporus 155 bおよびA. fumigatus 154 b)を用い,ストリンジェンシーの条件を最適化することによりコニディオボルス症起因菌(Conidiobolus sp.),ムーコル症起因菌(R. microsporus)およびアスペルギルス症起因菌(A. fumigatus)を高感度に判別することができた.これらの起因菌をFFPE組織切片上で迅速かつ確実に検出,同定することが可能となり,真菌症治療戦略に大きく寄与することが期待される. |
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ISSN: | 2434-5229 2434-5237 |
DOI: | 10.11534/ishinkin.19-00007 |