看護師が捉える老年期クローン病患者の在宅療養における課題と必要と考える支援

目的:看護師が捉える老年期クローン病患者の在宅療養における課題と必要と考える支援について明らかにすることを目的とした。方法:日頃,老年期クローン病患者に看護を実践する看護師5名を対象とし,半構成的面接から得られたデータを質的に分析した。結果:看護師が捉える老年期クローン病患者の在宅療養における課題は9つのカテゴリー,必要と考える支援は6つのカテゴリーが抽出された。看護師は,老年期患者は加齢や合併症のリスクが高まるがその経過は個人差があり,認知や感覚機能の低下で便失禁や転倒しやすくなるなど,生活やセルフケアに影響すると捉えていた。看護師は加齢や病気特有の症状を踏まえ,家族や訪問看護といった社会資...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 47; no. 4; pp. 4_825 - 4_837
Main Author 山本, 孝治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.10.2024
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Summary:目的:看護師が捉える老年期クローン病患者の在宅療養における課題と必要と考える支援について明らかにすることを目的とした。方法:日頃,老年期クローン病患者に看護を実践する看護師5名を対象とし,半構成的面接から得られたデータを質的に分析した。結果:看護師が捉える老年期クローン病患者の在宅療養における課題は9つのカテゴリー,必要と考える支援は6つのカテゴリーが抽出された。看護師は,老年期患者は加齢や合併症のリスクが高まるがその経過は個人差があり,認知や感覚機能の低下で便失禁や転倒しやすくなるなど,生活やセルフケアに影響すると捉えていた。看護師は加齢や病気特有の症状を踏まえ,家族や訪問看護といった社会資源の活用を視野に入れた支援の必要性を認識していた。結論:客観的な観察を重視して患者がこれまで培ってきた療養を尊重し,家族のサポートや訪問看護の活用を念頭に置いて在宅療養支援を充実させる必要性が示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20231218237