高齢糖尿病患者におけるフェイズアングル低値は転倒の独立した関連因子である

目的:高齢糖尿病患者におけるフェイズアングル(PA)低値と転倒との関連性を検証すること.方法:対象は伊勢赤十字病院外来通院中の65歳以上の糖尿病患者とした.転倒の有無は自己記入式調査票により行った.PAの測定には,多周波生体電気インピーダンス法を用い,PAが最も小さい第一分位(T1群)とそれ以外の第二及び第三分位(T2/3群)の2群に対象者を分類した.従属変数を転倒,説明変数をPA,及び調整変数としたロジスティック回帰分析を用いて,PAの転倒に関するオッズ比を算出した.結果:255例が本研究の解析対象となった.T1群が33.3%,T2/3群が66.7%,転倒経験ありは28.2%であった.PAの...

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 60; no. 3; pp. 261 - 267
Main Authors 金児, 竜太郎, 井田, 諭, 東, 謙太郎, 村田, 和也, 今高, 加奈子, 大久保, 薫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 25.07.2023
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ISSN0300-9173
DOI10.3143/geriatrics.60.261

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Summary:目的:高齢糖尿病患者におけるフェイズアングル(PA)低値と転倒との関連性を検証すること.方法:対象は伊勢赤十字病院外来通院中の65歳以上の糖尿病患者とした.転倒の有無は自己記入式調査票により行った.PAの測定には,多周波生体電気インピーダンス法を用い,PAが最も小さい第一分位(T1群)とそれ以外の第二及び第三分位(T2/3群)の2群に対象者を分類した.従属変数を転倒,説明変数をPA,及び調整変数としたロジスティック回帰分析を用いて,PAの転倒に関するオッズ比を算出した.結果:255例が本研究の解析対象となった.T1群が33.3%,T2/3群が66.7%,転倒経験ありは28.2%であった.PAの転倒に関する調整前及び調整後オッズ比は,それぞれ2.92(95% confidence interval(CI),1.31 to 4.07;P=0.004),2.34(95% CI,1.07 to 5.09;P=0.031)であった.結論:高齢糖尿病患者におけるPA低値が転倒と関連することが明らかとなった.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.60.261