高齢血液透析患者における健康情報を活用するプロセス

本研究は,65歳以上の血液透析患者13名を対象に半構造化面接を行い,M-GTAを用いて分析した。その結果,高齢血液透析患者の健康情報を活用するプロセスは,19の概念からなる7つのカテゴリーと2つの概念によって説明できた。患者は,【衰えた身体をいたわりながら療養する】から始まり,お気に入りの情報入手ルートで得た情報の中から自分にとっての確かな情報を選び出し,【説得力がある情報は役立つと自己判断する】ようになる。この自己判断の強弱によって【医療スタッフを値踏みしながら対応を工夫する】ことで【置いていかれるデータと気持ちに困惑する】プロセスと,【自分なりの判断のまま実施に移る】プロセスに分岐していた...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 43; no. 2; pp. 2_245 - 2_253
Main Authors 濵野, 初恵, 稲垣, 美智子, 多崎, 恵子, 松井, 希代子, 堀口, 智美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.06.2020
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Summary:本研究は,65歳以上の血液透析患者13名を対象に半構造化面接を行い,M-GTAを用いて分析した。その結果,高齢血液透析患者の健康情報を活用するプロセスは,19の概念からなる7つのカテゴリーと2つの概念によって説明できた。患者は,【衰えた身体をいたわりながら療養する】から始まり,お気に入りの情報入手ルートで得た情報の中から自分にとっての確かな情報を選び出し,【説得力がある情報は役立つと自己判断する】ようになる。この自己判断の強弱によって【医療スタッフを値踏みしながら対応を工夫する】ことで【置いていかれるデータと気持ちに困惑する】プロセスと,【自分なりの判断のまま実施に移る】プロセスに分岐していた。 以上より,高齢血液透析患者の健康情報を入手する主体的な行動と,活用に至るための課題およびその支援方法が示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20200131083