口唇, 口蓋裂児の家族内発現について

口唇や口蓋に形態学的異常を呈する, 非連続的変異discontinuous variationであるところの口唇, 口蓋裂の遺伝的支配は多因子しきい説で説明されている. メンデル式遺伝などのように明確に説明される訳ではないが, 家系調査をするとかなりなものに家族集積性を認め, 何らかの遺伝的関与を想像させる. また, 発病を誘発する多くの環境因子も報告されている. すなわち, これは, 一つの形質の支配に関与する多くの遺伝子polygeneと多くの環境因子との相互作用とによる多因子性遺伝multifactorialinheritanceに適合し, それらが, あるしきい値を越えた時に発症すると...

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Published in小児口腔外科 Vol. 2; no. 1; pp. 41 - 47
Main Authors 木下, 弘幸, 原, 康司, 三浦, 茂樹, 河合, 幹, 夏目, 長門, 服部, 孝範
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 1992
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ISSN0917-5261
1884-6661
DOI10.11265/poms1991.2.41

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Summary:口唇や口蓋に形態学的異常を呈する, 非連続的変異discontinuous variationであるところの口唇, 口蓋裂の遺伝的支配は多因子しきい説で説明されている. メンデル式遺伝などのように明確に説明される訳ではないが, 家系調査をするとかなりなものに家族集積性を認め, 何らかの遺伝的関与を想像させる. また, 発病を誘発する多くの環境因子も報告されている. すなわち, これは, 一つの形質の支配に関与する多くの遺伝子polygeneと多くの環境因子との相互作用とによる多因子性遺伝multifactorialinheritanceに適合し, それらが, あるしきい値を越えた時に発症するという訳である.
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms1991.2.41