消化器内科病棟における看護師の職業性ストレスと職務満足度の分析

[はじめに]看護職は職務内容の特殊性や労働条件などから一般的にストレスが強い職業と言われている。当病棟においてもストレスを感じながら業務に携わっている看護師が多く見受けられる。また様々な役割を持ちながら業務を行っており、その立場の違いによって受けるストレスは様々であると考える。さらにストレスが大きいことで、心のゆとりや仕事に対する満足感が減少するのではないかと考える。そこで当病棟における看護師のストレッサーと職務満足度の要因を経験年数別に明らかにしたいと考えた。 [研究方法] 期間:2004年8月16日から8月30日 対象:当病棟看護スタッフ17名(師長は除く) 回答率100% 1-3年目4名...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 54; p. 194
Main Authors 大津, 百世, 小見渕, 幸子, 村野, いづみ, 梶山, 幸美, 佐藤, 美智子, 飯塚, 規子, 高嶋, 美千子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2005
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.54.0.194.0

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Summary:[はじめに]看護職は職務内容の特殊性や労働条件などから一般的にストレスが強い職業と言われている。当病棟においてもストレスを感じながら業務に携わっている看護師が多く見受けられる。また様々な役割を持ちながら業務を行っており、その立場の違いによって受けるストレスは様々であると考える。さらにストレスが大きいことで、心のゆとりや仕事に対する満足感が減少するのではないかと考える。そこで当病棟における看護師のストレッサーと職務満足度の要因を経験年数別に明らかにしたいと考えた。 [研究方法] 期間:2004年8月16日から8月30日 対象:当病棟看護スタッフ17名(師長は除く) 回答率100% 1-3年目4名(以下A 群) 4-6年目8名(以下B群) 7年目以上5名(以下C群)の3群に分ける。 方法:1.三木の提唱する看護師のストレッサー尺度を用いた質問紙を配布。    2.1と同様にstampsらの作成した病院勤務看護師を対象にした職務満足質問紙を配布。 3.1、2を集計、3群に分け分析する。 倫理的配慮:質問紙はそれぞれ無記名とし、研究趣旨について文書にて説明し同意を得た。また結果については業務に影響がないことを文書にて説明した。 [結果・考察] 看護師のストレッサー尺度で、3群とも点数の高かった項目は業務に関する項目であること、また職務満足度では3群とも看護業務の項目について最も点数が低いことから、業務についてのストレスが強いことが満足度を下げている原因と考える。またストレッサー尺度からA群、B群は人命に関わる仕事内容の項目が最も点数が高く、これは経験年数が少なく緊張する場面が多いことがストレスにつながっていると考える。C群では技術革新の項目で最も点数が高く、これは教育的役割が期待される立場にあり、そのため新しい知識や技術を獲得しなければならないという状況が、ストレスを強めている要因のひとつであると考える。これらのことは業務に関するストレスでも役割により内容が違うと言える。  患者家族との関係・医師との関係においてストレッサー尺度では3群とも最も点数が低く、同じ項目で職務満足度尺度では3群とも点数が高い結果が得られたことから職場の人間関係は良好であると考えられる。医療チームとして人間関係が良好であることは適切な医療・看護を提供する上で大切な要素であると考える。以上のことからストレスと職務満足度には関連性があることが示唆される。また三木が述べるように今後は看護師のメンタルヘルスケアを充実していくことが必要であると考える。 [まとめ]1.3群とも業務に関してストレスが高く満足度が低かった。年代別の役割の違いからストレスの違いに差があった。2.人間関係に関するストレスは低く満足度は高かった。これらに関して年代別に差は無かった。 [終わりに] 今回は少人数であった為十分な結果が得られなかった。今後は対象を増やし追跡調査を行なっていきたい。 [引用・参考文献] 1)尾崎フサ子:看護婦の仕事への満足に関する研究!)米国のICU,CCUで働いている看護婦と一般内科、外科病棟で働いている看護婦の比較、看護研究、Vol.20 No,3,p54-64,1987 2)三木明子他:看護師の年代別職業性ストレスの特徴、第33回日本看護学会論文集(看護総合)、p68-70.2002. 3)堀洋道他:心理測定尺度集III、サイエンス社p320-327.
Bibliography:2C08
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.54.0.194.0