血糖認識トレーニング(BGAT)を使用しての患者指導

血糖認識トレーニング(以下BGAT)は、血糖の変化に対する外部情報(インスリン・食事・運動)とともに内部情報(身体症状・気分など)について学習し高血糖・低血糖の認識を高めるトレーニング法としてアメリカで考案されたものである。  1型糖尿病患者で血糖値を測定する際に、あらかじめ血糖値の予測を行い、それと実測値と比較している人にこのBGATの正しいやり方を指導し、糖尿病チーム医療の一員として薬剤師の立場から患者に介入を試みた。  1.血糖値を予測することが実際の血糖コントロールの改善に結びつき、高血糖・低血糖の予防に役立っているかなどを調査した。  2.血糖値の予測値・実測値より血糖誤差判定グラフ...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 55; p. 339
Main Authors 栗林, 友子, 遠藤, 弘, 吉川, 明, 濱崎, 真沙子, 小林, 則子, 渡辺, 一也, 旅河, 佐知子, 片野, 寛子, 八幡, 和明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2006
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.55.0.339.0

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Summary:血糖認識トレーニング(以下BGAT)は、血糖の変化に対する外部情報(インスリン・食事・運動)とともに内部情報(身体症状・気分など)について学習し高血糖・低血糖の認識を高めるトレーニング法としてアメリカで考案されたものである。  1型糖尿病患者で血糖値を測定する際に、あらかじめ血糖値の予測を行い、それと実測値と比較している人にこのBGATの正しいやり方を指導し、糖尿病チーム医療の一員として薬剤師の立場から患者に介入を試みた。  1.血糖値を予測することが実際の血糖コントロールの改善に結びつき、高血糖・低血糖の予防に役立っているかなどを調査した。  2.血糖値の予測値・実測値より血糖誤差判定グラフ(エラーグリッド)を作成した。  3.エラーグリッドから見落としのエラーのあるゾーン、血糖値を高く推測したのに実際の血糖値が低かったという危険なエラーのみられる患者に注目してみた。  4.血糖認識の手がかり(キュー)やエラーグリッドを用いて患者指導に介入し、血糖予測の正確さの評価や意識レベルの向上の関わりをもった。  血糖自己測定は糖尿病治療のセルフケア行動に欠かせない手技である。単に測定するだけでなくその日の自己の生活・環境を振り返り、血糖値を予測することを練習していた患者にこのBGATを指導することで、自分の血糖値をより深く意識するようになり高血糖や低血糖を上手く予測することが可能になってきた。  これからより多くの患者にBGATを使用し継続して関わることで、血糖変化に対する各個人の意識を高めていきたい。
Bibliography:2G213
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.55.0.339.0