左鎖骨上窩リンパ節転移で発見され化学療法でCRに至った大腸がんの1症例

【症例】51歳女性。【現病歴】高血圧のため近医通院中であったが2010年12月中旬より左頚部に腫瘤が出現し同医受診。GIFは異常なく甲状腺腫瘍を疑われ2011年1月当院紹介。頚部USで左頚部~鎖骨上に2個のリンパ節腫脹を認めるも甲状腺には腫瘍を認めず。頚部~骨盤部CTにて頚部、左鎖骨上窩、肝門部、腹部大動脈周囲リンパ節腫大を認め、肝に転移と思われる腫瘤を認めた。FDG-PETでは左鎖骨下リンパ節、傍大動脈領域から右内腸骨領域のリンパ節、肝両葉に複数の結節状の集積を認めた。CT、PET上は悪性リンパ腫も疑われたが、腫瘍マーカーを測定したところ、CEA:24.9 ng/ml、CA19-9:161....

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 60; p. 238
Main Authors 小澤, 範高, 尾辻, 健太郎, 勝村, 直樹, 華井, 頼子, 山崎, 健路, 小木曽, 英介, 森野, 浩太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2011
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.60.0.238.0

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Summary:【症例】51歳女性。【現病歴】高血圧のため近医通院中であったが2010年12月中旬より左頚部に腫瘤が出現し同医受診。GIFは異常なく甲状腺腫瘍を疑われ2011年1月当院紹介。頚部USで左頚部~鎖骨上に2個のリンパ節腫脹を認めるも甲状腺には腫瘍を認めず。頚部~骨盤部CTにて頚部、左鎖骨上窩、肝門部、腹部大動脈周囲リンパ節腫大を認め、肝に転移と思われる腫瘤を認めた。FDG-PETでは左鎖骨下リンパ節、傍大動脈領域から右内腸骨領域のリンパ節、肝両葉に複数の結節状の集積を認めた。CT、PET上は悪性リンパ腫も疑われたが、腫瘍マーカーを測定したところ、CEA:24.9 ng/ml、CA19-9:161.8μg/ml、可溶性IL-2受容体:769U/mlと、CEA、CA19-9の上昇を認めた。頚部リンパ節生検はadenocarcinoma(mod.~por.)の所見であり、CFにて上行結腸に全周性の2型腫瘍を認めた。大腸の腫瘍からの生検では adenocarcinoma(KRAS:野性型)の所見であり、大腸がんおよびその多発転移と診断した。【経過】2月1日よりベバシズマブ+CapeOX療法開始した。7コースでCEA:1.8 ng/ml、CA19-9:24.8μg/mlと低下、画像上CRとなり現在も治療継続中である。治療中にオキザリプラチンによるblue liver症候群と思われる肝障害を認めたが、オキザリプラチンの投与量の減量と利尿剤投与により改善し、継続投与が可能であった。【結語】左鎖骨上窩リンパ節転移、大動脈周囲リンパ節転移から診断され、化学療法でCRが得られた大腸がん症例を経験したので報告した。
Bibliography:2E-10
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.60.0.238.0