HPLC法にてHbA1c測定不可となった2症例

(はじめに)HbA1cは糖尿病の診断や経過観察の指標として重要な役割を果たしている。当院ではHPLC法にて測定しているが、今回測定不可となった2症例を経験したので紹介する。(症例)1)79歳男性。07/09/25の測定ではHbA1が7.8%、HbA1c が5.2%と測定できたが、08/06/09には測定不可であった。2)60歳女性。当院人間ドック受診時に測定不可であった。(結果)症例1)、2)共に当院では検査不可能と判断し、外部委託にて分析を行った。その結果、1)については高分離分析により通常より高値のHbFが検出され、そのパターンの影響で測定不可になったと思われる。この患者は約1ヶ月後に再び...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 59; p. 454
Main Authors 森井, 秀光, 似内, 幸枝, 加藤, 明子, 志賀, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2010
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.59.0.454.0

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Summary:(はじめに)HbA1cは糖尿病の診断や経過観察の指標として重要な役割を果たしている。当院ではHPLC法にて測定しているが、今回測定不可となった2症例を経験したので紹介する。(症例)1)79歳男性。07/09/25の測定ではHbA1が7.8%、HbA1c が5.2%と測定できたが、08/06/09には測定不可であった。2)60歳女性。当院人間ドック受診時に測定不可であった。(結果)症例1)、2)共に当院では検査不可能と判断し、外部委託にて分析を行った。その結果、1)については高分離分析により通常より高値のHbFが検出され、そのパターンの影響で測定不可になったと思われる。この患者は約1ヶ月後に再び測定する機会を得ているが、その時はHbA1が10.5%、HbA1c が4.1%と測定できている。2)については変異Hbの存在が確認できてはいるが、さらなる解析には別の検査依頼が必要であり、再採血が必要であるとの回答を得た。更に、患者側には詳細な検査をする為の検査同意書をとることが必要であると判断して打診をしたが、以前にも測定不可と言われたことがあった為同意を得られず、更なる分析には至っていない。(まとめ)通常検査をする中、まれに測定不可となる事は経験するが、大部分は再測定を行う事で測定できる。またその検体が低Ht値であることによってHbA1cが解析されないことがCBCのデータから予想された場合は、検体を遠心分離して血漿を少し取り除き、擬似的にHt値を上げて測定することにより測定可能となる場合が多い。しかし、それでも測定不可となり検査を院外に頼らざるを得ない場合にも遭遇するが、今回の経験をふまえ、可能な範囲で結果報告、及び原因の推定をし、臨床側に情報を提供していきたい。
Bibliography:P2-G3-3
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.59.0.454.0