当院での64MDCTにおける腹部・下肢動脈撮影の試み
〈緒言〉2006年12月に64列MDCTが導入され、腹部・下肢angiography(CTA)における、リアルプレップRP(ボーラストラッキング Manual)法の撮影について検討した。〈方法〉対象は、2006年12月8日から2007年4月30日までに、当院で64列MDCTを用いてCTA撮影をした15例である。撮影方法は、リアルプレップRP(ボーラストラッキング Manual)法を用い、造影剤注入と同時に左右膝窩動脈をモニタリングする。造影剤が膝窩動脈を通過するタイミングには左右差があるため、両側共に通過が確認できたところでスキャンを開始した。左右各々、膝窩動脈通過時の「時間―濃度曲線」を作成...
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Published in | Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 56; p. 250 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2007
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.56.0.250.0 |
Cover
Summary: | 〈緒言〉2006年12月に64列MDCTが導入され、腹部・下肢angiography(CTA)における、リアルプレップRP(ボーラストラッキング Manual)法の撮影について検討した。〈方法〉対象は、2006年12月8日から2007年4月30日までに、当院で64列MDCTを用いてCTA撮影をした15例である。撮影方法は、リアルプレップRP(ボーラストラッキング Manual)法を用い、造影剤注入と同時に左右膝窩動脈をモニタリングする。造影剤が膝窩動脈を通過するタイミングには左右差があるため、両側共に通過が確認できたところでスキャンを開始した。左右各々、膝窩動脈通過時の「時間―濃度曲線」を作成、また、本スキャンまでの撮影時間を計測し検討した。撮影されたCTA画像については、スキャンが造影剤の流れを追い越していないか、また、動脈描出能および静脈との重なりの程度について評価した。〈結果〉膝窩動脈での「時間-濃度曲線」が得られたのは15例中14例であり、得られなかった1例では、膝窩動脈閉塞のため作成できなかったため、検討の対象外とした。「時間-濃度曲線」においては、モニタリング上、膝窩動脈(左右で血流が遅い動脈)の造影が確認できた時間は、3.5~18.2秒(平均12.8秒)であった。左右膝窩動脈の濃度差は、3~30HU(平均19HU)であった。本スキャン開始までの時間は28秒~55秒(平均43.6秒)であった。14例中全てにおいて腹部~下肢動脈全域が良好に造影され、スキャンが造影剤の流れを追い越した例は認められなかった。CTA画像では、15例中全例において動脈の描出能は良好で、下肢静脈描出は認められなかった。腹部領域では静脈、門脈が造影された症例が3例認められたが、動脈の評価が困難になるまでには至らなかった。(結語) リアルプレップRP(ボーラストラッキング Manual)法では、良好な画像が得られ、腹部~下肢のCTAにたいへん有用であった。 |
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Bibliography: | 2D21 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.56.0.250.0 |