再撮影の削減を目的としたヒヤリ・ハットの導入

目的  近年、医療事故についての関心が高くなってきている。当放射線部では放射線部内PACSにより再撮影率(以後再撮率とする)は減少したが、さらなる患者サービスの向上のために放射線部内ヒヤリ・ハットを導入し、再撮影(以後再撮とする)をヒヤリ・ハットとして扱い再撮率の低下に努めた。ヒヤリ・ハットによる再撮率低下の結果が見られたので報告する。 方法  2003年10月から12月まで再撮したものについて全てヒヤリ・ハットを提出した。2004年1月から同じ再撮理由の事例は原則として件数のみとし、新事例に関してはヒヤリ・ハットを提出した。ヒヤリ・ハットは放射線安全管理委員会で解析し、具体的な対策を2004...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 54; p. 127
Main Authors 松田, 孝一, 加藤木, 友恵, 上林, 岳, 青木, 正彦, 中澤, 洋治, 梅原, 弘行, 蛯原, 博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2005
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.54.0.127.0

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Summary:目的  近年、医療事故についての関心が高くなってきている。当放射線部では放射線部内PACSにより再撮影率(以後再撮率とする)は減少したが、さらなる患者サービスの向上のために放射線部内ヒヤリ・ハットを導入し、再撮影(以後再撮とする)をヒヤリ・ハットとして扱い再撮率の低下に努めた。ヒヤリ・ハットによる再撮率低下の結果が見られたので報告する。 方法  2003年10月から12月まで再撮したものについて全てヒヤリ・ハットを提出した。2004年1月から同じ再撮理由の事例は原則として件数のみとし、新事例に関してはヒヤリ・ハットを提出した。ヒヤリ・ハットは放射線安全管理委員会で解析し、具体的な対策を2004年4月から実施した。2004年度の再撮率を曝射回数における比率で求めた。 結果・考察  再撮率は上半期(4月から9月まで)平均0.55%、下半期(11月を含まない10月から3月まで)平均0.24%まで下げることができた。(図1参照)  具体的な対策として、ルール作りや確認方法の見直し、受付票や撮影パネルの表示方法の変更、勉強会などを実施した。これらにより再撮率が下がったと考えられるが、ヒヤリハットの提出による意識の向上がよりいっそう効果をもたらしたのではないかと思われる。 結語  当放射線部は、2003年度までロスフィルムの削減に力を入れておりロス率は 1.2%で、もともと他施設の報告の半分程度であった。今回、ヒヤリ・ハットを導入することで0.24%まで再撮率を下げることができた。これ以上の削減は撮影にだけ集中していしまい、一番大事な患者さんをみるということがおろそかになってしまう。より再撮率の削減を求めるならフェイルセーフ技術の優れた機器の導入が有効であると思われる。今後は、再撮率よりリスクの高い患者取り違いなどの対応を重要視し、他の部署との連携によって病院全体でミスを防止していき安全な医療を提供していきたい。
Bibliography:1K02
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.54.0.127.0