CAUTIサーベイランスとICTによるカテーテル管理の徹底化

<緒言>UTI(Urinary Tract Infections)は院内感染の約40%を占めるとの報告があり、そのうち75%はカテーテル留置に関連した尿路感染症(Catheter associated Urinary Tract Infections:CAUTI )である。CAUTI発生の原因はフォーレ挿入部、カテーテル・バッグ接合部、採尿部であるとの報告があり、留置ケアの改善と閉鎖式カテーテルの導入により減少の可能性が示唆された。  高萩協同病院では平成10年に主任者会議に付属する形式で院内感染対策委員会(ICC)が発足した。平成14年10月に感染対策事項を円滑に進める目的で下部...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 55; p. 228
Main Authors 永山, 美子, 棚谷, すみえ, 樗木, 智聡, 鈴木, 敦子, 野口, 昭三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2006
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.55.0.228.0

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Summary:<緒言>UTI(Urinary Tract Infections)は院内感染の約40%を占めるとの報告があり、そのうち75%はカテーテル留置に関連した尿路感染症(Catheter associated Urinary Tract Infections:CAUTI )である。CAUTI発生の原因はフォーレ挿入部、カテーテル・バッグ接合部、採尿部であるとの報告があり、留置ケアの改善と閉鎖式カテーテルの導入により減少の可能性が示唆された。  高萩協同病院では平成10年に主任者会議に付属する形式で院内感染対策委員会(ICC)が発足した。平成14年10月に感染対策事項を円滑に進める目的で下部組織の感染対策室(ICT)を発足。平成15年11月、主任者会議から独立し病院長直属の機関として権限を与えられ活動を開始した。それまでマニュアルの遵守が不十分であり、スタッフの長年の経験と勘によりエビデンスに基づかない感染対策が行われていた。  平成15年に“院内感染対策マニュアル第2版”が完成し各部署に設置したが、コンプライアンスの改善がなされない部分も見られた。今回CAUTIのサーベイランスを行い、現状把握をするとともにエビデンスに基づいた対策の徹底化を行うことにした。尿道留置カテーテルに関する報告によると、そのほとんどは閉鎖式フォーリカテーテルによるUTIの減少であり、これの使用でUTI発生率が5%減少したとの報告もある。国内施設のサーベイランスの報告によると1,000devices day当たり4.4〜12.8程度の報告がある。また感染防止先進国の米国では尿道留置カテーテルといえば“閉鎖式”を指し、約80%はこれを使用している。開放式カテーテルは閉鎖式と比べてCAUTIの発生率が高く、また医療材料としての償還における病院の負担も大きい。現在当院では100%が開放式での管理でありCAUTIの発生率が心配された。 <方法>2005年2月から2006年1月の1年間の開放式カテーテル使用におけるCAUTI発生率をCDCガイドライン(一部編集)に基づきサーベイランスを施行した。 <結果>2005年2月から2006年1月の1年間の開放式カテーテル使用におけるCAUTI発生率は1,000devices days当たり12.7(延べ尿道留置カテーテル使用数3,065devices days)と高値であった。この結果を受けて、現状における問題点を明確にして改善を行った。改善点としては、できるだけカテーテルを使用しない、カテーテル接合部を安易に外さない、バッグを床面に接地させない等である。閉鎖式カテーテルを使用した2006年5月からのCAUTI発生率は調査中である。
Bibliography:2D10
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.55.0.228.0