頻脈依存性心筋症に対しカテーテルアブレーションを施行し睡眠呼吸障害が短期間で著明に改善した1例

症例は47歳, 男性. 冠動脈バイパス術の既往がある. 2009年7月初旬から呼吸苦や下肢浮腫が増悪したため, 精査加療目的に入院となった. 来院時脈拍120/分の心房粗動で, 胸部写真上, 心胸郭比(cardiothoracic ratio; CTR) 57%と拡大し, 心エコーでは左室駆出分画率(left ventricular ejection fraction; LVEF) 33%だった. 入院後, ベラパミル, 利尿薬, hANPにて心不全治療を行った. 簡易アプノモニターでは, 無呼吸低呼吸指数(apnea hypopnea index; AHI) 41.5で, 睡眠呼吸障害(sl...

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Published in心臓 Vol. 43; no. 6; pp. 796 - 802
Main Authors 中村, 浩章, 梅澤, 滋男, 加藤, 信孝, 川島, 朋之, 大西, 隆行, 小林, 一士, 大西, 祐子, 丹羽, 明博, 磯部, 光章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2011
日本心臓財団
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Summary:症例は47歳, 男性. 冠動脈バイパス術の既往がある. 2009年7月初旬から呼吸苦や下肢浮腫が増悪したため, 精査加療目的に入院となった. 来院時脈拍120/分の心房粗動で, 胸部写真上, 心胸郭比(cardiothoracic ratio; CTR) 57%と拡大し, 心エコーでは左室駆出分画率(left ventricular ejection fraction; LVEF) 33%だった. 入院後, ベラパミル, 利尿薬, hANPにて心不全治療を行った. 簡易アプノモニターでは, 無呼吸低呼吸指数(apnea hypopnea index; AHI) 41.5で, 睡眠呼吸障害(sleep-disordered breathing; SDB)と診断した. 心不全改善後も停止しない通常型心房粗動に対してカテーテルアブレーション(CA)を施行した. 第16病日には心エコー上, LVEFは46%まで改善した. SDB再評価のため睡眠ポリグラフを施行すると, AHI 8.6と著明な改善を認めた. 点滴加療とCAによる心不全治療でSDBが劇的に改善した興味深い症例である.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.43.796