アドボカシー担当看護師の新たな取り組み
〈緒言〉当院では,平成16年4月にアドボカシー担当として専任看護師を配属し6年目を迎える。アドボカシーの活動状況を院内掲示するなど,患者・家族からの提言や相談に対応してきた。しかし,アドボカシー担当看護師の存在が周知されていないことで,提言や相談ができない患者・家族がおり,患者の人権・権利を擁護するという本来のアドボカシーの目的が達成できていないのではないかと考え新たな取り組みを行った。 〈方法〉平成20年8月から積極的な関わりとして,入院患者の病室を訪問する活動を開始した。この活動では,アドボカシー担当看護師の存在とその役割を伝え,そこで得られた提言や相談に迅速に対応するようにした。 〈結果...
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Published in | Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 58; p. 187 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2009
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.58.0.187.0 |
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Summary: | 〈緒言〉当院では,平成16年4月にアドボカシー担当として専任看護師を配属し6年目を迎える。アドボカシーの活動状況を院内掲示するなど,患者・家族からの提言や相談に対応してきた。しかし,アドボカシー担当看護師の存在が周知されていないことで,提言や相談ができない患者・家族がおり,患者の人権・権利を擁護するという本来のアドボカシーの目的が達成できていないのではないかと考え新たな取り組みを行った。 〈方法〉平成20年8月から積極的な関わりとして,入院患者の病室を訪問する活動を開始した。この活動では,アドボカシー担当看護師の存在とその役割を伝え,そこで得られた提言や相談に迅速に対応するようにした。 〈結果〉入院患者の病室訪問を開始し,アドボカシー担当看護師の周知が意外にも不十分であることが明らかになった。この活動で患者・家族とコミュニケーションを図り,提言や相談に即時に対応する一方で,患者・家族のセルフケア能力向上のサポートを行うことができたのではないか。 〈考察〉アドボカシーとは,当然守られるべき患者の権利を擁護・支援するという考え方やその取り組みを意味し,医療サービス向上や患者満足度を高めることに目的がある。今回の病室訪問という新たな取り組みは,看護師としての経験からの発想であった。入院患者・家族に積極的に関わることでコミュニケーションも深まり,大きなクレームに繋がることを防ぎ,安心して治療に専念できる環境を整えるなどのサポートも行えたのではないかと考える。今後も病室訪問という日々の積み重ねを継続し,当院におけるアドボカシー担当看護師としての役割を構築していきたい。 |
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Bibliography: | 24-04 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.58.0.187.0 |