成人左冠動脈肺動脈起始症(Bland-White-Garland症候群)の1例
左冠動脈肺動脈起始異常症(Bland-White-Garland 症候群)は先天性心疾患の0.25~0.5%以下とされる稀な疾患であり,さらに2歳までに80~85%が心筋虚血や心不全,突然死で死亡するとされている。今回我々は成人期に血行再建術を施行し,術後に左冠動脈主幹部の高度狭窄を来たした症例を経験したので報告する。症例は50歳女性。16歳時に他院にて上記診断。その時点では症状軽度で手術適応と判断される。2008年の人間ドックで心拡大を指摘され,同年7月10日当科初診。労作時息切れあり。8月5日心臓カテーテル検査を施行。左室造影では左室拡大と前壁から心尖部にかけての壁運動低下が認められた。右...
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Published in | 日本農村医学会学術総会抄録集 p. 214 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2009
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Subjects | |
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Summary: | 左冠動脈肺動脈起始異常症(Bland-White-Garland 症候群)は先天性心疾患の0.25~0.5%以下とされる稀な疾患であり,さらに2歳までに80~85%が心筋虚血や心不全,突然死で死亡するとされている。今回我々は成人期に血行再建術を施行し,術後に左冠動脈主幹部の高度狭窄を来たした症例を経験したので報告する。症例は50歳女性。16歳時に他院にて上記診断。その時点では症状軽度で手術適応と判断される。2008年の人間ドックで心拡大を指摘され,同年7月10日当科初診。労作時息切れあり。8月5日心臓カテーテル検査を施行。左室造影では左室拡大と前壁から心尖部にかけての壁運動低下が認められた。右冠動脈造影で側副血行を介して左冠動脈が描出され,逆向性に肺動脈主幹部に抜ける血流が観察された。左冠動脈肺動脈起始症は,成人期まで無症状で生存している例でも突然死の頻度が高いため手術適応とされており,本症例でも同年10月29日冠動脈再建術(大動脈―冠動脈直接吻合術)と僧帽弁形成術を施行。術後第27病日の心臓カテーテル検査で正常な冠動脈血流が観察され,また左室造影では左拡張末期容積減少と左室駆出率の増加を認めた。2009年1月下旬より労作時の胸痛が出現。冠動脈造影で左冠動脈主幹部に90%の狭窄を認め,同年2月12日同部位にステントを留置し,狭窄解除に成功した。 |
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Bibliography: | 26-03 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.58.0.214.0 |