小児気道異物の啓発活動~三重県内国公立幼稚園を対象にした意識調査

小児の気道異物による窒息死亡事故は年間約20件,気管・気管支異物事故は100件以上発生している。事故予防には,小児の保護者,保育者に対する啓発が重要であり,筆者は以前より,主に幼稚園教諭を対象に啓発活動を続けている。今回,気道異物に関する認識,園内での対策,事故啓発意志の有無について,三重県内国公立幼稚園長144名にアンケート調査を実施した。園長らの気道異物事故に関する知識は豊富であるが,園での給食や弁当等,食材に対する配慮や指導は,玩具に比し不十分であった。節分の際は,大半の施設で豆まき・福豆摂取が実施されていることが分かった。現状として,園から保護者への啓発はほとんど実施されていないが,啓...

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Bibliographic Details
Published inPediatric Otorhinolaryngology Japan Vol. 39; no. 1; pp. 18 - 23
Main Author 坂井田, 麻祐子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児耳鼻咽喉科学会 2018
Japan Society for Pediatric Otorhinolaryngology
Subjects
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ISSN0919-5858
2186-5957
DOI10.11374/shonijibi.39.18

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Summary:小児の気道異物による窒息死亡事故は年間約20件,気管・気管支異物事故は100件以上発生している。事故予防には,小児の保護者,保育者に対する啓発が重要であり,筆者は以前より,主に幼稚園教諭を対象に啓発活動を続けている。今回,気道異物に関する認識,園内での対策,事故啓発意志の有無について,三重県内国公立幼稚園長144名にアンケート調査を実施した。園長らの気道異物事故に関する知識は豊富であるが,園での給食や弁当等,食材に対する配慮や指導は,玩具に比し不十分であった。節分の際は,大半の施設で豆まき・福豆摂取が実施されていることが分かった。現状として,園から保護者への啓発はほとんど実施されていないが,啓発の場としては,健診,病院に次いで園がふさわしいとの意見が多かった。今後も,園教諭らから小児,保護者へ気道異物予防への認識がより普及するよう活動していきたい。
ISSN:0919-5858
2186-5957
DOI:10.11374/shonijibi.39.18