低毒性元素からなる新規半導体ナノ粒子の作製と光機能材料への応用

低毒性元素からなる新規半導体ナノ粒子であるZnS-AgInS2固溶体(ZAIS)ナノ粒子の液相化学合成法を概説し,粒子の光機能材料としての有用性を紹介する.銀・インジウム・亜鉛を含む(AgIn)xZn2(1-x)(S2CNEt2)4を,アミン溶液中で熱分解することにより,ZAISナノ粒子を作製した.得られたナノ粒子の化学組成は,用いる前駆錯体組成(x)により制御できた.ZAIS粒子は強く発光し,粒子中に含まれるZnの割合が増大すると,発光ピーク波長が780から540 nmへとシフトした.発光量子収率は最大で約80%であった.ZAIS粒子を固体基板上に担持することによって,粒子の光化学特性を利用...

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Published in日本写真学会誌 Vol. 73; no. 6; pp. 290 - 296
Main Authors 岡崎, 健一, 鳥本, 司, 笹村, 哲也, 桑畑, 進
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本写真学会 2010
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ISSN0369-5662
1884-5932
DOI10.11454/photogrst.73.290

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Summary:低毒性元素からなる新規半導体ナノ粒子であるZnS-AgInS2固溶体(ZAIS)ナノ粒子の液相化学合成法を概説し,粒子の光機能材料としての有用性を紹介する.銀・インジウム・亜鉛を含む(AgIn)xZn2(1-x)(S2CNEt2)4を,アミン溶液中で熱分解することにより,ZAISナノ粒子を作製した.得られたナノ粒子の化学組成は,用いる前駆錯体組成(x)により制御できた.ZAIS粒子は強く発光し,粒子中に含まれるZnの割合が増大すると,発光ピーク波長が780から540 nmへとシフトした.発光量子収率は最大で約80%であった.ZAIS粒子を固体基板上に担持することによって,粒子の光化学特性を利用する新規発光デバイスや増感太陽電池が作製可能である.
ISSN:0369-5662
1884-5932
DOI:10.11454/photogrst.73.290