高位頸髄損傷患者における肺理学療法の効果 呼吸発声機能と肺機能の変化

高位頸髄損傷者9名と下位頸髄損傷者5名の呼吸発声機能および肺機能を肺理学療法の前後に測定し,健常群10名と比較した。高位頸損群の最長発声持続時間(平均5.5秒)は下位頸損群や健常群よりも短く,最大発声量(平均73.4dB)は健常群よりも小さく,音読時息つぎ回数(平均37.0回)は下位頸損群や健常群よりも多く,数字順唱(1〜20)は3名のみ20まで可能(他群は全員可能)であった。肺機能では,努力性肺活量,努力性肺活量率,一秒量,一秒率,最大呼気流量とも有意に低下していた。肺理学療法により音読時息つぎ回数と最大呼気流量は有意に変化し,最大発声量は増加傾向を示した。...

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Published in理学療法学 Vol. 20; no. 4; pp. 218 - 223
Main Authors 堀, 秀昭, 苅安, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 01.07.1993
日本理学療法士協会
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Summary:高位頸髄損傷者9名と下位頸髄損傷者5名の呼吸発声機能および肺機能を肺理学療法の前後に測定し,健常群10名と比較した。高位頸損群の最長発声持続時間(平均5.5秒)は下位頸損群や健常群よりも短く,最大発声量(平均73.4dB)は健常群よりも小さく,音読時息つぎ回数(平均37.0回)は下位頸損群や健常群よりも多く,数字順唱(1〜20)は3名のみ20まで可能(他群は全員可能)であった。肺機能では,努力性肺活量,努力性肺活量率,一秒量,一秒率,最大呼気流量とも有意に低下していた。肺理学療法により音読時息つぎ回数と最大呼気流量は有意に変化し,最大発声量は増加傾向を示した。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00003127545