児童の学校生活スキルと居場所感及び学校適応感に関する研究

本研究の目的は,小学生の学校生活スキルと学校居場所感及び、学校適応感の関係を検討することであった.そこで,小学生375名に質問紙調査を実施し,有効回答347名を分析対象とした.学校居場所感と学校生活スキル及び学級満足度の性差と学年差を検討するため, 2要因の分散分析を行った.その結果,学校居場所感の「被受容感」は,男より女の方が高く,「心安らぐ空間」と「被受容感」は4年より5年が高かった.さらに学校生活スキルの「進路決定スキル」と「コミュニケーシヨンスキル」は, 4年より6年の方が高かった.また,学級満足度の「承認」は, 4年より5年と6年の方が高かった.よって,学校居場所感と学校生活スキル及...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in教育実践学研究 Vol. 20; pp. 1 - 11
Main Authors 山口, 豊一, 奥田, 奈津子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 教育実践学会 2017
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:本研究の目的は,小学生の学校生活スキルと学校居場所感及び、学校適応感の関係を検討することであった.そこで,小学生375名に質問紙調査を実施し,有効回答347名を分析対象とした.学校居場所感と学校生活スキル及び学級満足度の性差と学年差を検討するため, 2要因の分散分析を行った.その結果,学校居場所感の「被受容感」は,男より女の方が高く,「心安らぐ空間」と「被受容感」は4年より5年が高かった.さらに学校生活スキルの「進路決定スキル」と「コミュニケーシヨンスキル」は, 4年より6年の方が高かった.また,学級満足度の「承認」は, 4年より5年と6年の方が高かった.よって,学校居場所感と学校生活スキル及び学級満足度の下位尺度の一部には,性差と学年差があることが明らかとなった.さらに,学校居場所感と学校生活スキル及び学級満足度の関連を検討するため,共分散構造分析を行った.その結果,学校生活スキルが高いほど,学校居場所感が高まり,学級満足度が高くなるという適合度の高いモデルが得られた.以上から,児童の学校生活スキルを高めることは,学校居場所感及び学校適応感の向上につながることが示唆された.
ISSN:1880-2621
2436-0945
DOI:10.50841/kyoikujissen.20.0_1