当院での抗酸菌検査とQFT検査の状況
当院での抗酸菌検査とQFT検査の状況 渋谷 浩一(しぶやこういち) 蒲澤 康晃 堀 友紀子 山田 滝彦 大河内 昌弘 尾西病院臨床検査技術科・同部長 (はじめに)現在の日本の結核罹患率は、他の先進諸国と比較しても高く中まん延国となっている。当院は結核病棟を有さないので院内感染拡大防止をするため昨年11月より肺炎にて入院する患者を時間内・外を問わず抗酸菌検査を実施している。抗酸菌検査及びQFT検査の2年間の状況を報告する。(方法)対象は2009年5月から2011年3月までの抗酸菌培養依頼の喀痰検体を直接塗抹による蛍光染色を実施。培養は液体培養(MIGIT)法を外部委託。またDDH法(同定検査)・...
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Published in | Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 60; p. 318 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2011
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.60.0.318.0 |
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Summary: | 当院での抗酸菌検査とQFT検査の状況 渋谷 浩一(しぶやこういち) 蒲澤 康晃 堀 友紀子 山田 滝彦 大河内 昌弘 尾西病院臨床検査技術科・同部長 (はじめに)現在の日本の結核罹患率は、他の先進諸国と比較しても高く中まん延国となっている。当院は結核病棟を有さないので院内感染拡大防止をするため昨年11月より肺炎にて入院する患者を時間内・外を問わず抗酸菌検査を実施している。抗酸菌検査及びQFT検査の2年間の状況を報告する。(方法)対象は2009年5月から2011年3月までの抗酸菌培養依頼の喀痰検体を直接塗抹による蛍光染色を実施。培養は液体培養(MIGIT)法を外部委託。またDDH法(同定検査)・薬剤感受性検査・PCR法・QFT検査(ELISA)も外部委託している。(結果)抗酸菌培養依頼総件数 503件(塗抹のみの検査 12件含む)塗抹陽性 16件(陽性率3.1% 平均年齢 76.2歳)培養陽性 68件(陽性率13.9% 同一患者検体含む)同定依頼のあった菌名の内訳はM・tuberculosis 5件 9.8% (平均年齢81.5歳) M・avium 22件 43.1% M・intracellulare 16件 31.3% その他 8件 15.6%(非定型抗酸菌群の平均年齢 78.4歳)QFT検査依頼件数 69件(培養依頼数に対して) 陽性 7件 陽性率10.1% 平均年齢75歳(今回は判定保留は含めず) その内の1件はM・tuberculosisであった。 判定保留 15件 (陽性を含めた陽性率 31.8%)また結核菌PCR法 54件 陽性 4件 MAC PCR法 38件 M・avium 5件 M・intracellulare 5件であった(まとめ)抗酸菌培養陽性率は結核病棟の有無により施設間差があると思われるが、当院にて約14%とあるのは中まん延国である故なのかと考えられる。また、陽性者のほとんどは報告例同様に高齢者に偏在し亡くられた方もいました。肺炎時に入院する患者を抗酸菌検査する当院では、今後増加するであろう検体を塗抹検査だけではなくLAMP法などの迅速に検出可能なキットを用い早期発見・感染拡大防止に努めようと思います。 |
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Bibliography: | 1J-B-14 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.60.0.318.0 |