妊娠中期の妊婦への食事指導を取り入れて

〈はじめに〉近年やせ願望からやせすぎの妊婦や低出生体 重児が問題とされているが,この地域の妊婦はまだ体重増 加が問題となっている。体重管理で入院する妊婦は,体重 増加が,妊娠,分娩に及ぼす影響について,理解していな いことがわかった。現状では検診時に食事指導がされてい ない。そのため妊娠中期から食事指導を行うことで,妊婦 の食事に対する意識の変化がみられないかと考え,食事指 導を取り入れて意識調査をおこなった。 〈用語の定義〉・妊娠中期:23週~35週。 ・食テスト:食生活を振り返るためのテスト 〈研究方法〉 (1)対象:26週~28週妊婦39名 (2)手順:20週の妊婦に第1回アンケート,食...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 58; p. 261
Main Authors 武地, 恵美子, 大森, 和子, 水野, ひろ子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2009
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.261.0

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Summary:〈はじめに〉近年やせ願望からやせすぎの妊婦や低出生体 重児が問題とされているが,この地域の妊婦はまだ体重増 加が問題となっている。体重管理で入院する妊婦は,体重 増加が,妊娠,分娩に及ぼす影響について,理解していな いことがわかった。現状では検診時に食事指導がされてい ない。そのため妊娠中期から食事指導を行うことで,妊婦 の食事に対する意識の変化がみられないかと考え,食事指 導を取り入れて意識調査をおこなった。 〈用語の定義〉・妊娠中期:23週~35週。 ・食テスト:食生活を振り返るためのテスト 〈研究方法〉 (1)対象:26週~28週妊婦39名 (2)手順:20週の妊婦に第1回アンケート,食シートを配 る。24週に食シートを回収,栄養士による食事バラン スガイドの作成。26週~28週の採血時,パンフレット と食事バランスガイドを用いて食事指導を行う。指導 後に第2回アンケートを実施,1回と2回のアンケートを比較する。 (4)データ集積・分析方法:指導の前後に意識調査と食テストを行い, ウィルコクソン検定で分析。 (5)倫理的配慮:同意書を作成,検診時に説明し署名にて 同意を得る。途中でやめても不利益にならない。 〈結果〉食テストの内容は「食シーン」・「調理」・「食材メ ニュー」に関する項目で指導前,後に実施した。点数で集 計した結果,指導後に点数が上がった妊婦が35名,下がっ た妊婦が4名いた。各項目でウィルコクソン検定を行った ところ3項目で有意差が認められた。「指導により食生活 に対する考え方に変化はありましたか」の問には全員が 「はい」の回答であった。 〈考察〉同居率の高い地域に住む妊婦は家族の介入により 体重増加傾向にあった。個別指導で背景を知り,妊婦にあ わせた実践的な指導ができ,食生活改善を引き出せた。真 崎は「食の記録は妊婦の食への意識,関心度を把握するの に有効な手段である。」と述べている。食シートを記録す ることは自己の反省となる。個々の食生活にあわせた栄養 士のコメントは,食への関心を高め,食生活に対する意識 の向上になる。妊婦の食生活を正すことは,家族全体の食 生活改善にも期待ができる。 〈結語〉今まで妊婦に個別指導をすることがなかった。 今回の研究により指導することは有意義であるという結果が 得られた。
Bibliography:P1-A102
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.261.0