発熱を呈する小児のための献立「小児熱発食」の有用性

【はじめに】発熱を呈する小児では栄養と水分の補給により体力を維持することは療養上大切であるが、入院児の保護者や担当看護師から、発熱中には食事を十分摂取できていないという意見が寄せられた。今回、当院の給食献立の中に発熱を呈する小児に対応できる新たな献立を作成すると共に、その有用性をアンケート調査した。 【対象】当院こども医療センターに発熱を主訴に入院した小児とその保護者。 【方法】発熱小児のための食事として「小児熱発食」を作成し、2011年1月6日より導入した。その理念は、高熱時にも食べやすい、口当たりの良い献立とし、水分が多く、軟らかくて冷たい料理を中心に提供した。2011年1月6日~3月31...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 60; p. 149
Main Authors 深見, 沙織, 伊藤, 美香利, 尾崎, 隆男, 柳田, 勝康, 山口, 剛, 白石, 真弓, 朱宮, 哲明, 西村, 直子, 山田, 慎悟, 中村, 崇仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2011
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.60.0.149.0

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Summary:【はじめに】発熱を呈する小児では栄養と水分の補給により体力を維持することは療養上大切であるが、入院児の保護者や担当看護師から、発熱中には食事を十分摂取できていないという意見が寄せられた。今回、当院の給食献立の中に発熱を呈する小児に対応できる新たな献立を作成すると共に、その有用性をアンケート調査した。 【対象】当院こども医療センターに発熱を主訴に入院した小児とその保護者。 【方法】発熱小児のための食事として「小児熱発食」を作成し、2011年1月6日より導入した。その理念は、高熱時にも食べやすい、口当たりの良い献立とし、水分が多く、軟らかくて冷たい料理を中心に提供した。2011年1月6日~3月31日の約3ヶ月間、「小児熱発食」提供児の保護者に対しアンケート調査を行った。また診療録から各入院児の年齢、体温、喫食率等を調査した。尚、本取り組みは当院治験臨床研究審査委員会の承認を得ている。 【結果と考察】「小児熱発食」は3ヶ月間で112名(男児66名、女児46名)に提供され、一人当たりの平均提供食数は6.0±3.6食、児の平均年齢は3歳4ヶ月、平均最高体温は39.1±1.1゜Cであった。平均喫食率は主食4.3±4.0割、副食3.2±3.1割であり、当院の幼児食の平均喫食率(主食6.8±3.0割、副食4.8±2.9割)より低値であったが、高熱である状態を考えると決して低い喫食率ではないと思われた。 アンケート結果(回収率38.4%(43/112))では、「小児熱発食」は“よい”という回答は67%であった。献立の中では、ヨーグルト、プリン、麺類等の喫食率が高かった。自由記述欄には、「水分が多く食べやすそうでした」、「家での発熱時にとても参考になった」等の意見が見られた。今後はアンケート結果を基に献立を見直し、より摂取しやすい「小児熱発食」を目指していきたい。
Bibliography:1F-6
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.60.0.149.0