運動療法実践者の顧客満足と運動に対する動機づけとの関連性の検討 理学療法士が介入している多施設間の横断研究

【目的】本研究では,理学療法士による運動療法実践者の顧客満足度向上の意義を臨床的な観点から検討するために,顧客満足と運動に対する動機づけとの関連性を明らかにすることを目的とした。【方法】理学療法士が介入している4施設において運動療法を実践している215名を対象に質問紙調査を行った。顧客満足度の測定にはCSSNSを使用し,運動に対する動機づけの測定にはBREQ-2を使用した。顧客満足と運動に対する動機づけとの関連について,施設ごとに相関分析とパス解析を行った。【結果】相関分析の結果,4施設とも,顧客満足は運動に対する動機づけのうち,自己決定的な動機づけと有意に関連していた。しかしながら,パス解析...

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Published in理学療法学 Vol. 37; no. 2; pp. 108 - 109
Main Authors 田中, 亮, 梶村, 政司, 井出, 善広, 吉田, 俊之, 大原, 寿, 小澤, 淳也, 戸梶, 亜紀彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.04.2010
日本理学療法士協会
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Summary:【目的】本研究では,理学療法士による運動療法実践者の顧客満足度向上の意義を臨床的な観点から検討するために,顧客満足と運動に対する動機づけとの関連性を明らかにすることを目的とした。【方法】理学療法士が介入している4施設において運動療法を実践している215名を対象に質問紙調査を行った。顧客満足度の測定にはCSSNSを使用し,運動に対する動機づけの測定にはBREQ-2を使用した。顧客満足と運動に対する動機づけとの関連について,施設ごとに相関分析とパス解析を行った。【結果】相関分析の結果,4施設とも,顧客満足は運動に対する動機づけのうち,自己決定的な動機づけと有意に関連していた。しかしながら,パス解析の結果では,顧客満足の下位概念と運動に対する動機づけとの関連は,4施設で一貫した傾向にないことが示された。【結論】運動に対する動機づけに影響を及ぼす顧客満足の下位概念は施設間で一貫しないが,運動療法実践者の顧客満足自体は運動に対する自己決定的な動機づけに影響を及ぼすと考えられる。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00006325232