レトロウイルスによる骨髄前駆細胞への遺伝子導入システムを用いた、IL-17 familyのコラーゲン誘発性関節炎(CIA)に対する影響

【目的】IL-17AはT細胞由来のサイトカインであり、関節リウマチ(RA)の進展に関与する。最近、IL-17のfamilyとして5つの分子(IL-17B、Il-17C、IL-17D、IL-17E、IL-17F)が発見された。今回我々はレトロウイルスによる遺伝子導入法を用いてIL-17familyの関節炎進展に対する影響を調べた。【方法と結果】RAモデルマウスとしてCIAマウスを用いた。まず、定量的PCRにてマウス炎症肢のIL-17family、IL-17R(レセプター)発現を調べると、IL-17A、IL-17B、IL-17C、IL-17FのmRNA発現が対照に比し約100倍高く、IL-17AR...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 33; p. 79
Main Authors 藤尾, 圭志, 庄田, 宏文, 北村, 俊雄, 山口, 優美, 岡本, 明子, 津野, 寛和, 山本, 一彦, 渋谷, 美穂子, 高橋, 孝喜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2005
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.33.0.79.0

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Summary:【目的】IL-17AはT細胞由来のサイトカインであり、関節リウマチ(RA)の進展に関与する。最近、IL-17のfamilyとして5つの分子(IL-17B、Il-17C、IL-17D、IL-17E、IL-17F)が発見された。今回我々はレトロウイルスによる遺伝子導入法を用いてIL-17familyの関節炎進展に対する影響を調べた。【方法と結果】RAモデルマウスとしてCIAマウスを用いた。まず、定量的PCRにてマウス炎症肢のIL-17family、IL-17R(レセプター)発現を調べると、IL-17A、IL-17B、IL-17C、IL-17FのmRNA発現が対照に比し約100倍高く、IL-17AR、IL-17BRも高かった。これらより、関節炎の炎症局所でIL-17familyがある種の正フィードバック機構に関与することが示唆された。次に、腹腔(PEC)および骨髄由来マクロファージ(BMDM)へのIL-17family添加による炎症性サイトカイン発現を同様に調べると、IL-17BはPECでIL-23、IL-1β発現を、BMDMでIL-17AR発現を亢進させた。また、レトロウイルスによる遺伝子導入を用いてIL-17familyを過剰発現させた脾臓のCD4陽性T細胞を、CIAマウスに関節炎発症直前に養子移入した結果、関節炎スコアおよび病理組織学所見で明らかな悪化を認めた。そして、同法にてIL-17familyのBM transgenic マウスを作製したところ、CIAの早期発症と高い関節炎スコアを示した。【結論】IL-17Aのみではなく、IL-17familyであるIL-17B、IL-17C、IL-17Fに関しても関節炎の増悪に関与していることが示唆された。
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ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.33.0.79.0