CRシステムを用いたX線ビームプロファイル測定法の提案

〈緒言〉  従来、SDCTの時代にはビーム幅=スライス厚であったが、MDCTになってからは、スライス厚はビーム幅ではなく、検出器により制御されるようになった。また、実際のビーム幅は設定値よりも広く照射されていることは学会等で報告されている。  そこで被曝を考慮したプロトコールを組むためにも、それぞれ各施設のCTにてビーム幅の特性を知る事が重要である。  しかしながら、従来の測定法はフィルムスクリーンの組み合わせであり、マイクロデンシトメーター等の特別な機器を使用し、また入力と出力の関係がリニアリティーでないために補正等の手間もかかっていた。そこで今回、簡便な方法を考案したので報告する。 〈使用...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 56; p. 254
Main Authors 吉川, 秋利, 伏屋, 直英, 伊藤, 良剛, 伊藤, 光洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2007
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.56.0.254.0

Cover

More Information
Summary:〈緒言〉  従来、SDCTの時代にはビーム幅=スライス厚であったが、MDCTになってからは、スライス厚はビーム幅ではなく、検出器により制御されるようになった。また、実際のビーム幅は設定値よりも広く照射されていることは学会等で報告されている。  そこで被曝を考慮したプロトコールを組むためにも、それぞれ各施設のCTにてビーム幅の特性を知る事が重要である。  しかしながら、従来の測定法はフィルムスクリーンの組み合わせであり、マイクロデンシトメーター等の特別な機器を使用し、また入力と出力の関係がリニアリティーでないために補正等の手間もかかっていた。そこで今回、簡便な方法を考案したので報告する。 〈使用機器・材料〉 CT装置:Light Speed Pro 16 (GE) CRシステム:REGIUS 190 (KONICA MINOLTA) カセッテ:EC-D 8×10(FUJI FILM) フィルム:UR-3(FUJI FILM) スキャナー:ES8000(セイコーエプソン)  計測ソフト:image J 鉛ブロック 〈方法〉 実験1:従来法とCRシステムとのフィルム上での比較では、ノンヘリカルスキャンのSCAN中心にて周りを鉛ブロックで覆ったカセッテに1方向から照射を行った。得られた画像を透過型スキャナーでPCに取り込み、画像解析ソフトでX線ビームプロファイルの計測を行った。 実験2:CRカセッテへの照射で鉛ブロックのスリット幅(5mm、8mm、10mm、20mm)を変更して計測し、比較検討を行った。 実験3:当院のCT装置での計測として焦点サイズを変更してX線ビームプロファイルを測定した。またこのプロファイルのFWHMを実効X線ビームプロファイルとした。 〈結果〉 実験1:フィルムスクリーン系とCRカセッテの測定結果はプロファイル上、相違差はなかった。 実験2:鉛ブロックのスリット幅を変更させた結果、スリット幅には影響せず、X線ビームプロファイルに変化はみられなかった。 実験3:小焦点は1.7mm、大焦点は3.2mmだけ、設定値より実効X線ビーム幅は広くなった。 〈考察〉  今回のCRシステムを用いた測定法は簡便でフィルムスクリーン系との相違差がなく、有用であることが分かった。  CRの特徴としてリニアリティーな特性での出力が可能であり、ダイナミックレンジが広いので幅広い照射条件で測定できる。またDICOMで出力することにより、PCで解析ができるという利点が挙げられる。  物理的配置においては鉛ブロックのスリット幅を変更させてもX線ビームプロファイルに変化はなかったが、スリットの幅を拡大し過ぎるとX線斜入による影響がある点は、注意すべきと考えられる。  設定のX線ビーム幅より大焦点のX線ビーム幅が広いのは、半影の影響のためと考えられる。 〈まとめ〉  CRシステムを用いてX線ビームプロファイルを測定する事は簡便にCT装置の特性を知り、また被曝を考慮したプロトコールの設定をするためにも有用であると考えられた。
Bibliography:2D25
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.56.0.254.0