pH変動によるL-Dopa製剤-Mg剤の配合変化への影響と当院における投薬実態
【はじめに】パーキンソン病の代表的治療薬であるL-Dopa製剤は、副作用対策として下剤が併用される。一方でL-Dopa製剤(メネシット錠)と緩下剤(Mg剤)併用による配合変化もこれまでに複数報告されており、今回我々は、pH変動によるL-Dopa製剤の配合変化への影響とL-Dopa製剤-Mg剤併用患者の当院における投薬実態を調査したので報告する。 【調査方法】1)L-Dopa製剤+Mg剤、2)L-Dopa製剤+Mg剤+酢酸、3)L-Dopa製剤+Mg剤+ビタミンC剤(ハイシー)、各々を水で溶解しcontrolとの配合変化を比較。L-Dopa製剤内服患者の緩下剤併用状況調査(調査対象期間:2008...
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Published in | Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 59; p. 199 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2010
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE |
Subjects | |
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ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.59.0.199.0 |
Cover
Summary: | 【はじめに】パーキンソン病の代表的治療薬であるL-Dopa製剤は、副作用対策として下剤が併用される。一方でL-Dopa製剤(メネシット錠)と緩下剤(Mg剤)併用による配合変化もこれまでに複数報告されており、今回我々は、pH変動によるL-Dopa製剤の配合変化への影響とL-Dopa製剤-Mg剤併用患者の当院における投薬実態を調査したので報告する。 【調査方法】1)L-Dopa製剤+Mg剤、2)L-Dopa製剤+Mg剤+酢酸、3)L-Dopa製剤+Mg剤+ビタミンC剤(ハイシー)、各々を水で溶解しcontrolとの配合変化を比較。L-Dopa製剤内服患者の緩下剤併用状況調査(調査対象期間:2008年11月~2009年5月(7ヶ月間) 【結果】1)pH9以上、配合5分で変色あり。2)3)ともにpH5以下、配合60分後変色。調査対象期間内のL-Dopa製剤投与症例;128症例。Mg剤併用症例;39症例(30.5%)。その内2剤同時服用症例;33症例(84.6%)。 【考察】L-Dopa製剤とMg剤の反応はpHの影響を強く受けることが分った。この結果を踏まえ当院での併用状況を確認した結果、2剤併用患者の8割は同時服用しており、配合変化を起こしている可能性が考えられた。添付文書ではL-Dopa製剤とMg剤における併用注意の記載はなく、併用同時投与が一般的になされている大きな要因と思われた。実際の臨床現場では多くの薬剤を併用しており、胃内pH変動が予想される。特に、L-Dopa効果が一定しないケース等では、配合変化・服薬タイミングの確認など慎重な対応が必要と考える。しかしながら、パーキンソン病による運動障害を考慮すれば、投薬間隔をあけることは患者負担を増すことに繋がりかねない。ビタミンC剤の併用は、pHを酸性に維持し、L-Dopa効果の維持・服薬の負担軽減が可能になることが示唆された。 |
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Bibliography: | P1-E2-2 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.59.0.199.0 |