PEG造設時の栄養状態がその後に及ぼす影響について

PEG造設時の栄養状態がその後に及ぼす影響について 揖斐厚生病院 NST ◎高井美帆子 大野洋子 竹中陽香  熊澤伊和生 堀部哲子 加納真紀子 [はじめに] 当院では高齢化と共に嚥下障害による誤嚥性肺炎の割合が多く、やむなくPEG造設する患者が増えている。しかし、PEGを造ってもその後トラブルが発生し、予後が悪い症例を目にすることがある。そこで、PEG造設時の栄養状態がその後に与える影響について調査したので報告する。 [方法] 昨年10月から6ヶ月間にPEG造設を実施した患者30名(平均年齢83.6歳)を対象に、PEG造設時のBMI,Alb,Hb,CRPを調査し、予後に与える影響について評価し...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 60; p. 150
Main Authors 堀部, 哲子, 大野, 洋子, 熊澤, 伊和生, 加納, 真紀子, 高井, 美帆子, 竹中, 陽香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2011
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.60.0.150.0

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Summary:PEG造設時の栄養状態がその後に及ぼす影響について 揖斐厚生病院 NST ◎高井美帆子 大野洋子 竹中陽香  熊澤伊和生 堀部哲子 加納真紀子 [はじめに] 当院では高齢化と共に嚥下障害による誤嚥性肺炎の割合が多く、やむなくPEG造設する患者が増えている。しかし、PEGを造ってもその後トラブルが発生し、予後が悪い症例を目にすることがある。そこで、PEG造設時の栄養状態がその後に与える影響について調査したので報告する。 [方法] 昨年10月から6ヶ月間にPEG造設を実施した患者30名(平均年齢83.6歳)を対象に、PEG造設時のBMI,Alb,Hb,CRPを調査し、予後に与える影響について評価した。 [結果] 予後を軽快群と死亡群に分け調査した結果、Albは軽快群で平均3.22g/㎗、死亡群で2.62g/㎗であった。Hbは軽快群で平均11.94g/㎗、死亡群で10.71g/㎗であり、両方とも予後に影響を及ぼしていた。BMIとCRPについて有意差は認められなかった。また、AlbとHbとの相関については正の相関を示し、AlbとCRPとの相関は認められなかった。 [考察] 栄養状態を良好にするために経口摂取が困難な患者にはPEGを造設し、安定した栄養補給が可能になることが目的であるが、造設時の栄養状態が不良であると栄養吸収不良を起こしたり、穿刺部位からの感染により病態の悪化に繋がる恐れがあると考えられる。BMIに有意差がなかったことは低栄養による浮腫が体重を見かけ上多くしているものと考えられる。今回の結果でAlbとCRPについて負の相関が得られなかったことはAlb単独でも十分栄養評価として使えると考えられる。 [今後] この結果を踏まえ、PEG造設時の栄養評価として、Alb値の標準値を策定していくようNSTとして働きかけていきたい。
Bibliography:1F-7
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.60.0.150.0