体細胞クローン後代牛における分娩状況・飼料摂取量・発育・産肉性・血液性状調査による健全性の検討

黒毛和種体細胞クローン雄牛と一般雄牛の精液を, 当場内の黒毛和種経産牛に人工授精を施し, 生産した体細胞クローン後代牛の雄牛4頭および対照牛の雄牛3頭を26カ月齢まで飼養し, 体細胞クローン後代牛の健全性について検討した.その結果, 分娩状況は, 在胎日数, 生時体重ともに後代牛と対照牛間に有意な差は認められなかった (P>0.05) .また, 受胎した後代牛・対照牛母牛の全ては自然分娩で正常に産子を分娩し, 後代牛母牛の分娩時の異常は認められなかった.飼料摂取量は, 後代牛と対照牛間においてDM, TDN, CPの摂取量は肥育期間内において有意な差は認められなかった (P>0.0...

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Published in西日本畜産学会報 Vol. 51; pp. 49 - 54
Main Authors 木下, 正徳, 梅木, 英伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本暖地畜産学会 2008
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ISSN0914-3459
1884-6394
DOI10.11461/jwaras1968.51.49

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Summary:黒毛和種体細胞クローン雄牛と一般雄牛の精液を, 当場内の黒毛和種経産牛に人工授精を施し, 生産した体細胞クローン後代牛の雄牛4頭および対照牛の雄牛3頭を26カ月齢まで飼養し, 体細胞クローン後代牛の健全性について検討した.その結果, 分娩状況は, 在胎日数, 生時体重ともに後代牛と対照牛間に有意な差は認められなかった (P>0.05) .また, 受胎した後代牛・対照牛母牛の全ては自然分娩で正常に産子を分娩し, 後代牛母牛の分娩時の異常は認められなかった.飼料摂取量は, 後代牛と対照牛間においてDM, TDN, CPの摂取量は肥育期間内において有意な差は認められなかった (P>0.05) .発育は, 後代牛と対照牛問において体重, 体高, 胸囲に有意な差は認められず (P>0.05) , 牛発育推定値の範囲内で推移した.産肉性は, 枝肉成績の全ての項目において後代牛と対照牛間に有意な差は認められなかった (P>0.05) .血液性状は, 一般血液検査7項目, 血液生化学的検査23項目について測定を行った結果, 殆どが正常範囲内で推移しており, 後代牛の血液性状には異常は認められなかった.これらのことから, 体細胞クローン後代牛の健全性は, 対照牛と比較して大きな違いは認められず, 健全な牛であると考えられた.
ISSN:0914-3459
1884-6394
DOI:10.11461/jwaras1968.51.49