消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドラインと 諸外国のガイドラインとの比較

Surgical site infection(以下,SSI)は医療関連感染のなかで大きな割合を占めており,患者負担・医療負担に関しても世界的に問題となっている。このような背景から,「消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018」が日本外科感染症学会から発行された。諸外国のガイドラインとは,対象とする領域や作成方法,推奨方法など相違点が認められることから比較検討を行った。その結果,諸外国の手術全般を扱ったガイドラインと比較しても多くの勧告がなされていることがわかった。また,エビデンスに基づきながら,日本の現状に即して推奨度を記載している点から,現在の日本においてもっとも信頼に値す...

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Published in日本外科感染症学会雑誌 Vol. 18; no. 5-6; pp. 389 - 395
Main Authors 畑, 啓昭, 後藤, 健太郎, 宗景, 史晃, 三木, 晶森, 末永, 尚浩, 中西, 保貴, 山口, 高史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外科感染症学会 20.10.2022
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Summary:Surgical site infection(以下,SSI)は医療関連感染のなかで大きな割合を占めており,患者負担・医療負担に関しても世界的に問題となっている。このような背景から,「消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018」が日本外科感染症学会から発行された。諸外国のガイドラインとは,対象とする領域や作成方法,推奨方法など相違点が認められることから比較検討を行った。その結果,諸外国の手術全般を扱ったガイドラインと比較しても多くの勧告がなされていることがわかった。また,エビデンスに基づきながら,日本の現状に即して推奨度を記載している点から,現在の日本においてもっとも信頼に値するガイドラインであると考えられた。一方,本ガイドラインは,感染が成立している腹膜炎手術などは対象にふくめていないことから,SSIの発生割合が高いこれらの領域についても,約4〜5年後に予定されている改訂の際には,あわせて勧告がなされることを期待したい。
ISSN:1349-5755
2434-0103
DOI:10.24679/gekakansen.18.5-6_389