消化器外科病棟における病棟薬剤師による医薬品情報提供と 消化器外科周術期感染管理への影響
外科周術期における薬物療法は多様化しており,薬剤師の積極的なかかわりが求められている。今回,病棟薬剤師による情報提供の形態とその受諾率を解析することにより,消化器外科病棟における薬剤師の周術期感染管理への影響を評価した。2015年7月から2016年6月までの1年間,医師および看護師に対して病棟薬剤師が行った医薬品情報提供について調査した。医師へ薬剤師から積極的に情報提供した能動的情報提供件数の割合は43%,感染症領域に関する情報提供割合が29%と最も多かった。受諾率は医師,看護師ともに高率であった。周術期で汎用される注射用抗菌薬cefmetazoleのantimicrobial use den...
Saved in:
Published in | 日本外科感染症学会雑誌 Vol. 20; no. 5-6; pp. 538 - 546 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本外科感染症学会
11.09.2024
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1349-5755 2434-0103 |
DOI | 10.24679/gekakansen.20.5-6_538 |
Cover
Summary: | 外科周術期における薬物療法は多様化しており,薬剤師の積極的なかかわりが求められている。今回,病棟薬剤師による情報提供の形態とその受諾率を解析することにより,消化器外科病棟における薬剤師の周術期感染管理への影響を評価した。2015年7月から2016年6月までの1年間,医師および看護師に対して病棟薬剤師が行った医薬品情報提供について調査した。医師へ薬剤師から積極的に情報提供した能動的情報提供件数の割合は43%,感染症領域に関する情報提供割合が29%と最も多かった。受諾率は医師,看護師ともに高率であった。周術期で汎用される注射用抗菌薬cefmetazoleのantimicrobial use density(AUD)/days of therapy(DOT)は有意に増加していたことから,情報提供による薬物療法支援は,抗菌薬適正使用の推進に貢献し集学的治療におけるチーム医療の一翼を担う重要なものと思われた。 |
---|---|
ISSN: | 1349-5755 2434-0103 |
DOI: | 10.24679/gekakansen.20.5-6_538 |