キャンパス内における障がい者の働く場所と学生がつながる仕組みの創出

福祉的就労の当事者が実践の場をキャンパス内に拡げ,地域連携を促進すること,多様な対面的コミュニケーションを図る機会を持つことを目的とし,医学を学ぶ学生と地域の福祉事業所が「就労支援cafe」を週に2~3回,協働運営した.スチューデントアシスタント(以下,SA)計18名,福祉事業所2社に加え,本学関係部署のサポート体制を構築し,計37日間,トラブルなく運営できた.事業所とは異なる外部の特殊環境での物品販売を通し,他者との直接的な交流,一定の報酬体験が得られたことなどが就労者に対して,好影響を及ぼした可能性が推察される.一方,SAの中には,今後の課題を見出した者も確認された.したがって,医学教育に...

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Published in地域理学療法学 Vol. 3; pp. 126 - 133
Main Authors 髙田, 昌寛, 阪上, 奈巳, 熊部, 翔, 青山, 宏樹, 塚越, 千尋, 山科, 吉弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域理学療法学会 31.03.2024
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Summary:福祉的就労の当事者が実践の場をキャンパス内に拡げ,地域連携を促進すること,多様な対面的コミュニケーションを図る機会を持つことを目的とし,医学を学ぶ学生と地域の福祉事業所が「就労支援cafe」を週に2~3回,協働運営した.スチューデントアシスタント(以下,SA)計18名,福祉事業所2社に加え,本学関係部署のサポート体制を構築し,計37日間,トラブルなく運営できた.事業所とは異なる外部の特殊環境での物品販売を通し,他者との直接的な交流,一定の報酬体験が得られたことなどが就労者に対して,好影響を及ぼした可能性が推察される.一方,SAの中には,今後の課題を見出した者も確認された.したがって,医学教育に関わる教育者が,大学カリキュラム以外における医学教育現場の多様性を見出し,学生個々の課題に向き合い支援することは,医療職としての専門性の向上はもとより,分野横断的な業務に適応できる,社会性が備わった人材の育成に寄与すると考える.
ISSN:2758-0318
DOI:10.57351/jjccpt.JJCCPT23001