ポリスチレン-ポリエチレンブレンドの混練特性

混練流動性の異なる3種類のポリスチレン (PS) 樹脂と高密度ポリエチレン (HDPE) 樹脂をそれぞれ組み合わせた試料の混練特性を測定し検討した. 混練抵抗M-混練時間tM曲線は, 混練流動性の良いPSとHDPEの組み合わせでは混合試料の曲線は各単一成分試料の曲線間に位置するが, 混練流動性の良くないPSを組み合わせるに従って混合試料の曲線は, 混練抵抗が単一成分試料のものより更に減少する側へ位置する特異混練挙動が生じる. この挙動はtMが小さい領域で顕著である. 混練特性の混合組成に対する加成性はごく一部のtMと混合比を除いて成立しない. M-混合比曲線には組み合わせるPSの種類によってM...

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Published in高分子論文集 Vol. 37; no. 6; pp. 419 - 425
Main Authors 笠島, 正行, 伊藤, 勝彦, 菅沼, 彰, 国井, 大蔵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 1980
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Summary:混練流動性の異なる3種類のポリスチレン (PS) 樹脂と高密度ポリエチレン (HDPE) 樹脂をそれぞれ組み合わせた試料の混練特性を測定し検討した. 混練抵抗M-混練時間tM曲線は, 混練流動性の良いPSとHDPEの組み合わせでは混合試料の曲線は各単一成分試料の曲線間に位置するが, 混練流動性の良くないPSを組み合わせるに従って混合試料の曲線は, 混練抵抗が単一成分試料のものより更に減少する側へ位置する特異混練挙動が生じる. この挙動はtMが小さい領域で顕著である. 混練特性の混合組成に対する加成性はごく一部のtMと混合比を除いて成立しない. M-混合比曲線には組み合わせるPSの種類によってMが極小となる混合比が存在する. この現象はHDPEに混練流動性の良くないPSを組み合わせた方が生じやすく, 混練流動性の良いPSを組み合わせるに従って生じなくなる.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.37.419